「しろえびせんべい」が海を渡る 富山の100年企業・日の出屋製菓産業が米菓と“米菓超えの食”で海外に雄飛
「おこめぢゃや」は、団子とおこわのお米のおやつ専門店。2022年3月、「おこめぢゃや富山マルート店」を全国初出店したことで立ち上げられた直営店ブランドとなる。現在6店舗を展開し、今後はショップインショップの展開を強化すべく「ささら屋」2店舗の改装に伴うオープンを予定している。 「『おこめぢゃや』は団子とおこわのお米のおやつ専門だが、今後は富山米を中心とした様々な富山の食を取り扱う総合的な直営店を目指して勢いを加速させていく」。 海外事業にも寄与するものとして川合社長が重視するのは商品開発。 「『類ありて比なし』の社是を掲げており、他が真似できない商品づくりにこだわり続けている。世にない新しい商品をどれだけ企画・開発できるかがポイント。ローカルの価値でグローバルに打って出るグローカルの考え方が大事で、富山米と地元・富山という軸をぶらさずに菓子から食品へと領域を広げていきたい」と意欲をのぞかせる。 海外事業の拡大は、単に外貨を稼ぐことに加えて、富山の方の誇りにもつながりうるという。 「地域を守るには物質的な幸せもあるが、心の幸せが最初にあり、そこに対して我々は寄与できると考えている。富山に根ざしたグローバル企業のモデルを目指していく中で、地元の方がより地元好きになってもらえるように活動していきたい」と述べる。 社内体制はボトムアップ型を志向。 「トップとして引っ張っていくことはもちろん必要だが、『人づくり品づくり』の中で皆さんの知恵や知見が集まって100年やってきたことを考えて、役職や先輩後輩の垣根を超えて、一人一人の力を活かしていきたい」との考えを明らかにする。 賃上げについては「これから5年間かけてしっかりやっていきたいため、利益を出せる社内体質にして売上げをある程度伸ばしていく」と説明する。