鉄道旅の愉しみ「駅そば」名店に聞く味のこだわり 三島駅の「桃中軒」と我孫子駅の「弥生軒」
「130年前に創業した時には、簡単な駅弁を出していたと思います。駅弁の販売が長く続いて、大正ぐらいに入ってから、そばも出していたのかな? とは思いますが、詳しい資料がないので、具体的にはわかりません。結構前からそばもやっていたと思います。沼津駅は機関車の付け替えなどをする沼津機関区があった場所なので、待ち時間が長くあって、そばもよく売れたそうです。ほかにも近所の方とかも利用されていたと思います。蒸気機関車が普通の電車になっても、そばを求める方が長く続いたという話です」
――駅以外でも桃中軒のそばを食べることはできる? 「サッカーのJリーグでホーム戦の試合があるときに、愛鷹広域公園に『アスルキッチン』という出店があり、そこで食べられます。そのときは、地元の業者さんもかなり出店して、いろいろな地元の素材を使った飲食が出るので、当社もそこでそばを提供しています。さすがにコロッケを揚げることはできませんが、そばはその場で作るので、寒い時期にはかなり人気です」 ――コロッケのこだわりは?
「手ごねで手作りのコロッケです。機械でこねていないのと、ちゃんと風にさらして、甘みを増して出荷しています。こだわりのジャガイモを使っているので、そばの甘い汁に合うので、コロッケを崩していっしょに食べるのもおすすめです。別皿でコロッケだけでも提供できるので、お客様のお好みに合わせて召し上がっていただけるので、喜ばれています」 ――みしまコロッケそば誕生のきっかけは? 「もともとは、地元の市役所のかたの『そばにコロッケを載せたら』という一言から始まったメニューです。コロッケをそばに載せるメニュー自体は、他の場所でも当時からあったと思いますが、この辺では、あまりなじみがないメニューだったのです。そばに合うように、コロッケに醤油が少し、隠し味として入っています。和風のコロッケなので相性が良く、そばになじむと思います」