鉄道旅の愉しみ「駅そば」名店に聞く味のこだわり 三島駅の「桃中軒」と我孫子駅の「弥生軒」
「駅そば」といえば、味の好みなどでさまざまな意見に分かれるが、鉄道で移動する旅人にとって、ひとときの楽しみであり、愛される存在だ。そこで、筆者がおすすめしたい「駅そば」2店舗を紹介する。 【写真】三島駅桃中軒の「みしまコロッケそば」、山下清画伯も働いていたことがある我孫子駅弥生軒の「唐揚そば」とは? ■桃中軒(とうちゅうけん)(東海道線・三島駅など) 東京から三島駅へは東海道新幹線を利用するか、在来線の普通列車だと沼津行き、もしくは熱海駅で乗り継いで行くことができる。また、修善寺まで向かう伊豆箱根鉄道の始発駅であり、西伊豆の玄関口として機能している駅である。
そんな三島駅におすすめの「駅そば」がある。それは、在来線上りホームにある「桃中軒」だ。新幹線のホームにも同じ店舗を営業しているが、在来線の店舗はいろいろな列車を見ながら食事ができるので、個人的にこちらのほうが、利用頻度は高い。 おすすめのメニューは「みしまコロッケそば」(490円)である。ご当地名物のみしまコロッケを載せて提供される。コロッケは注文を受けてから、その場で揚げてくれたものを食べられるので、非常にサクサクしている。
【写真】三島駅桃中軒の「みしまコロッケそば」、我孫子駅弥生軒の「唐揚そば」とは? (8枚) 汁は濃くて少し甘い。コロッケを浸し、汁気を吸いこんだところで、そばと一緒に味わう。サクサク感を堪能したいのなら、コロッケを別皿にして提供してくれるので、好みの食べ方が可能である。 この桃中軒、公式ホームページを確認すると、ルーツは1891(明治24)年。「創業当初は、沼津駅の構内でお弁当の販売を始めたことによる」と書かれているが、三島駅で、あのおいしい「駅そば」が誕生したのは、どのような経緯があったのか?
■人気メニューは? 直接、桃中軒に聞いてみることにした。対応してくれたのは本社企画部。 ――サクッとあげたコロッケそばがとにかくおいしいのだが、他の人気メニューは? 「コロッケのおそばがやっぱり人気メニューです。お店によっていろいろですが、三島店はフライヤーもあるので、揚げたての天ぷらも人気。きつねや山菜なども人気です。コロッケ以外だと、桜エビのかき揚げが1番人気です」 ――駅そばを始めたきっかけは?