「亡命の触手は何度もあったはず…」巨人が獲得のライデル・マルティネス「総額50億円超」マネーゲームの舞台裏と「単に金額だけじゃない」決断の背景
3年連続最下位に終わってはいても、ドラゴンズファンにはささやかでも揺るぎない誇りがあった。それは「8回を終わってリードしてさえいれば、あとは何の心配もいらない」ことである。事実、今シーズンの7月11日の9回に追いつかれ、延長戦で敗れるまで前記の条件を満たした試合はなんと143連勝中であった。 【写真】「これが別れの挨拶になるなんて…」チームメートに愛された“ライマル”高橋宏斗、柳裕也とのエモすぎるツーショットなど、この記事の写真を見る
絶対的守護神の流出
どんなに弱くても、リードしている9回だけは不安なく過ごせ、3、2、1とカウントダウンを楽しめる。そんな「誇り」の源泉であるクローザーの流出が決まった。巨人が12月16日に、ライデル・マルティネスの入団を発表したのだ。 もっともほとんどのドラゴンズファンは遅かれ早かれその日が来ることを覚悟していた。というのも11月21日にキューバに帰国する際に、中部国際空港で取材した番記者に対し、目に涙を浮かべてこう話したことが報道されていたからだ。 「すごく居心地がよくていいチーム。本当はドラゴンズを出たくないんですけど、今は戻ってこられると言い切れる状態ではない。ファンも素晴らしい応援をしてくれてもう1つの家族みたいな存在。8年間を思い出すとすごく感情的になる」
台湾から再来日の裏側
誰が読んでも「ああ、終わったんだな」とわかる言葉を、涙ぐんで話したのだ。そもそもこの直前までキューバ代表として台湾で国際大会プレミア12を戦っていたマルティネスは、敗退後にチームといっしょに帰国せず再来日している。それは荷物整理だけでなく、中日との最後の意思確認の場が設けられていたようだ。 この後、保留者名簿から外れ、絶対の守護神は自由契約となった。調査を含め、獲得に興味をもったのは巨人以外にソフトバンク、DeNAと見られている。ソフトバンクがまず撤退。14日に中日に退団意思を伝えた段階で、すでに世紀のマネーゲームは決着していた。その2日後に巨人が発表。その際にマルティネスはこうコメントを寄せている。 「読売巨人軍と契約できたことを心から嬉しく思っています。これまでと変わらずライデル・マルティネスとして全力でプレーし、2025年がジャイアンツの年になるように頑張ります。東京ドームでファンの皆様の前で投げられるのを楽しみにしています」
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