２番手で登板して好投を見せた田中正義（右）をハイタッチで迎える新庄剛志監督（カメラ・池内　雅彦）

◆２０２４　パーソル　クライマックスシリーズ　パ・ファーストステージ　第３戦　日本ハム５―２ロッテ（１４日・エスコンフィールド） 　２位の日本ハムが第３戦でロッテに逆転勝ちし、２勝１敗で１０年ぶりにＣＳ第１Ｓを突破した。 　新庄剛志監督は「ロッテさんに負けようが、ソフトバンクさんに負けようが、もう一緒」と日本シリーズ進出を見据え、今季１４勝で最多勝を獲得したエースの伊藤大海投手を第１Ｓで温存した。 　最終Ｓ進出決定後、指揮官は「選手全員が『もう一回、伊藤くんの投げる姿を見たい』って気持ちがものすごく（あった）。チーム一丸となって、その思いがあっての今日の勝利。（決断は）勇気いりましたけどね」とホッと息を吐いた。 　実は、舞台裏があった。「クライマックスが始まる前に、伊藤くんを監督室に呼んで。『俺は日本シリーズに行くことしか考えてない。でも、ここ（ロッテ戦）で終わる可能性もある。（日程を）指さしてくれ』と。そしたら１秒もたたずに指さして『ここ行きます』って。ソフトバンクの１戦目。よし！　気持ちが一致した。『ありがとう』と」 　ロッテには初戦で完封負けを喫するも、総力を挙げての２戦連続の逆転勝ちで福岡行きの切符をゲット。「伊藤くんが投げるまで勝つ。勝つことだけを考えて。シナリオはもう、つくったので。伊藤くんが初戦（１勝１敗の）イーブンに持って行くだけ。それはもう、十分伊藤くんが分かっていること」と揺るがぬ信頼を口にした。