「『選択と集中』よりも『事業創造』」 事業領域を拡大するブルボン 「お役に立てる企業であり続ける」が創業の原点
ブルボンでは、失敗を恐れないチャレンジ精神が尊重される。 創業以来、チャレンジの連続だったという。 「初代はいろいろなものをやるタイプで、今で言うと地産地消でイカの塩辛を製造し売ったりしていた。昭和7年には輸入チューインガムに対抗すべく、チューインガム製造販売を手掛けた。先代社長(3代目)の吉田高章は、インスタントコーヒーが輸入されたのを受けてインスタントコーヒーに参入した」と語る。 いくつかの商品は市場から消えたが、ブルボンでは撤退とは捉えない。 「何か新しいことをやるときには4つのエネルギーの素を持ちなさいという教えがある。その1つが“やってみて上手くいかず残念だったという気持ちが残っているのなら、それを忘れずに常に持ち続けなさい”ということ。3代目も“やめた”とは言わすに“休んでいるつもり”と言い張り、再チャレンジの気持ちを持ち続けていた」と説明する。 3代目が撒いた“コーヒーの種”は今も脈々と受け継がれている。2022年11月に竣工した魚沼工場(新潟県魚沼市)にある雪室の原料保管倉庫にはカカオ豆とともにコーヒー豆が保管され、今年3月5日には、雪室で熟成させたコーヒー豆を使用したボトル缶コーヒー「雪室研ぎ澄ます珈琲」を新発売した。 「コーヒー事業を大きな柱にしたいという想いは今も変わっていない。先代社長から引き継がれた“松明”をしっかり持っている」と力を込める。