Jリーグ“最強”クラブは? パワーランキング35位タイ。赤字を脱却! しかしJ2から抜け出せず
サッカークラブの持つ影響力は単一の尺度で測れるものではないが、複数の指標から見えてくるものがある。今回はJ1、J2、J3の全60クラブを対象に、成績、人気、育成、売上の4つの指標を抽出して数値を組み合わせてランキング形式にした。果たして、最も“力のある”Jクラブはどこなのだろうか。※見出しの括弧内の数字は、各項目の1位(最高位)を60ポイント、60位(最下位)を1ポイントとして降順で計算した合計値。
35位:レノファ山口FC(100) 2024リーグ戦成績:11位(J2) 2024シーズンホームグロウン人数:3人(37位タイ) 2024リーグ戦ホームゲーム平均入場者数:6,089人(35位) 2023年度営業収益:約10億9800万円(36位) 2014年にJFLに入会し、2015シーズンにJ3リーグへ加入したレノファ山口FC。さらに同シーズンは勢いそのままにJ3を制覇し、現在の主戦場であるJ2に昇格した。 破竹の勢いで快進撃を続けていたが、J2では波のある戦いが見受けられる。これまでの最高順位は2018シーズンの8位で、最低順位は2020シーズンの22位。2020年は新型コロナウイルス蔓延の影響によりリーグのレギュレーションが変更され、最下位の山口は降格を免れた。 2024シーズンの11位という成績はコロナ禍以降最高順位だが、さらなるクラブの規模拡大を狙う場合は上位進出を目指したいところ。同シーズンのホームゲーム平均観客数は6,089人でコロナ禍以前の水準に戻っているが、J2にカテゴリーを上げてからは3番目の動員記録だ。J2初挑戦の2016年(6,654人)、8位で終えた2018年(6,123人)には劣っている。 経済規模はスモールクラブ程度だが、近年はコロナ禍の赤字経営から脱却できており、2023年度の決算報告によると「2期連続の黒字決算」である。伸び悩む入場料による売上を補っているのは、前年比約12%増加したスポンサー収入だ。6億1100万円という数字は、同年度の営業収益(約10億9800万円)の半分以上を占めている。 さらにポジティブな要素を指摘すると、2024シーズンにホームグロウン選手として登録されていた新保海鈴、末永透瑛、河野孝汰の3名全員が主力級の活躍を担っていたことだ。最も出場機会の少なかった末永は、17試合で3ゴール1アシストの成績を残している。 プロ化してからの歴史の短さを考えると、山口は順調な成長曲線を描いていると言って差し支えないだろう。波のある戦いの先に、さらなる躍進を期待できるはずだ。
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