〝プチぜいたく〟楽しむ 国産食肉加工品が人気
ディナー手軽に 群馬・鳥山畜産食品
年末年始のパーティーシーズンが到来した。物価高で節約志向が強まる中、消費者の“プチぜいたく”ニーズを捉えているのが、ローストビーフや生ハムといった国産食肉を使った加工品だ。各地の食品事業者は、地元産の食肉を使ったごちそう食材を提案し、商戦を盛り上げる。 グループで和牛の繁殖から肥育、精肉や加工品の販売までを手がける群馬県の鳥山畜産食品(渋川市)は、手軽に豪華な食卓が完成する「楽らくディナーセット」(5980円)などを同社通販サイトで提案する。人気の「赤城牛」(交雑種)のハンバーグ4個やローストビーフ、コンビーフをセットにし、温めたり、野菜と一緒に皿に盛り付けたりするだけで、レストランのコースメニューのような食事を楽しめる。 グループの鳥山牧場で育てた黒毛和牛「TORIYAMA UMAMI WAGYU」を使ったハム、生ハム、コンビーフの食べ比べセット(5580円)も人気だ。 同社によると、加工品の販売は年々右肩上がりで推移。「物価高で、価格に対する意識は厳しいが、年末イベントなどでは良いものにお金を出す傾向に変化はない」として、おいしさや手軽さを追求した商品の販売に力を入れる。年内の配達受け付けは26日まで。
道産オンラインで 北海道・トワ・ヴェール
オードブルに使いやすい食肉加工品も、国産を原料とした商品が人気を集める。北海道のトワ・ヴェール(黒松内町)は、道産の豚肉を使った「スモーク生ベーコン」や「スペアリブベーコン」、ハム、ソーセージをオンラインショップなどで販売。物産展への出展でファンが増え、年末年始は全国から注文が集まるという。 新型コロナウイルスの5類移行後初となる今年のクリスマスと年末年始。行動制限がない一方で、物価高による節約志向が強く、自宅で過ごす傾向が続きそうだ。 ファミリーマートが全国の15~69歳の男女約3万人を対象に行った調査では、今年のクリスマスの過ごし方として「自宅でクリスマスディナーを食べる」とした人の割合がトップ(49%)となり、昨年とほぼ変わらなかった。 同社は「引き続き家で楽しみたいニーズが根強く定着している」とみる。(斯波希)
日本農業新聞