久保建英はラ・リーガで今季いまだにアシストゼロ スペイン人記者「本人とチームの両方に問題」
【久保にアシストがつかない理由】 久保は今季ここまで公式戦で2アシスト(ヨーロッパリーグのアヤックス戦とディナモ・キーウ戦)し、ラ・レアルの選手としては公式戦通算107試合で16アシストを記録している。 ラ・リーガにおけるチームのアシストランキングは、セルヒオ・ゴメスがトップの4アシスト。続いてバレネチェアが2アシスト、アマリ・トラオレ、ルカ・スチッチ、ミケル・オヤルサバル、ブライス・メンデス、マルティン・スビメンディが各1アシスト。久保は今季、ラ・リーガではアシストをまだ1度も記録していないが、様々なスポーツのデータを扱う『Sofascore』によると、ラ・リーガでキーパス(味方のシュートにつながるパス)を1試合平均1.3本出している。 4アシストのセルヒオ・ゴメスは、ドリブラーではなく、その卓越した左足で常にチームメイトを探し、アシスト数を伸ばしている。 ドリブラーのバレネチェアは久保と同じく利き足と違うサイドでプレーしているが、タイプは異なる。彼はドリブルを仕掛ける際、自分のスペースを探しながらチームメイトのことを考え、クロスやパスを出し、さらには久保の待つ右サイドにボールを送ろうとする傾向がある。さらに逆サイドからのクロスに備えて頻繁にゴールに向かい、これまで頭や両足で得点を挙げてきた。 久保にアシストがつかない原因は、本人とチームの両方に問題がある。 久保はボールを必要以上に持ち、ドリブルをやり過ぎ、パスを出すべきタイミングで自らシュートを狙うというミスを犯すことがある。それは彼のスタイルではあるものの、今年はそれによって苦しめられた部分がある。 セルヒオ・ゴメスの加入によってCKを蹴らなくなったことも、アシストが減る原因につながっている。しかし、ラ・レアルは現在、ラ・リーガでセットプレーからの得点が最も少ないチームであるため、キッカー変更がうまくいっているとは言い難い。 FW陣の決定力不足も大きく響いている。彼らは決定機を決めきる精度が低く、何度もゴールを逃しているが、そのうちのいくつかは久保のパスからだ。 ラ・レアルの攻撃スタイルも関係している。これまでイマノルは左サイドにプレーを集中させた後に、素早く右サイドに展開することでフリーの久保が相手DFと有利な形で対峙しゴールシーンを作り出すという、すばらしいプレースタイルを確立していた。その際、久保はアシストをする選手ではなく、優れたフィニッシャーとして考えられていた。 しかし相手にそれを察知され、ダブルマークを受けるようになったことで、楽にプレーできなくなった。それもあり今はシュートを打つよりも、クロスを上げたり逆サイドに移動する動きが多くなっている。しかしラ・レアルはクロスからの得点がほとんどないため、久保にアシストがついていない。