高齢化・老朽化団地の管理組合理事長に突然就任! 預かったのは2億円、管理会社&個性的すぎる代表11名と挑む戦いの幕開け【ポンコツ理事長奮闘記1】
理事会メンバーは日本社会の縮図?!その1。約半数が高齢者だった……
1981年の竣工当時、似たような間取りに、似たような暮らしを送る、似たような家族が一斉に入居しました。経済は上向きで、夢と希望にあふれ、建物は新しく、設備面のトラブルも少なかった。 あれから42年。「自主管理」から「一部委託」に管理方式が変わっても、「階段ごとに1名ずつ」という理事会メンバーの選出方法は変わりませんでした。1棟につき3本の階段があるので、理事は3名。4つの棟から合計12名の理事が立ちますが、「詳しいから」「人望があるから」といった理由ではなく、単純に全戸持ち回りで、任期は1年のボランティアです。 さて私が理事長を務めた2023年度は、というと、12名のうち、65歳以上の高齢者が5名いました。竣工当時から暮らしている理事が4名で、10年ほど前に転入した理事が1名です。「竣工当時からの居住者かどうか」というのは私が考えていたよりも大事な観点で、理事会の運営に多少の不協和音をもたらしていました。 「1階のトイレが逆流してるのに、なんでそんなに他人事なんですか? お宅の階段の問題ですよ?」 「知らん!!!」 ……これは、ある月の理事会で実際に交わされたやりとりの一部です。
理事会メンバーは日本社会の縮図?!その2。7名の世代、職業、暮らしぶりはバラバラだった。
勤務先によっては日中のプライベート携帯の使用を禁じていることもあり、単身世帯では業務連絡もままならない。団地の住民も知らぬ間に多様化していたのだった。 65歳以上のメンバーの家族構成はどこも似たり寄ったり。しかし、65歳未満のメンバーの暮らしぶりはさまざまでした。社会の多様化に伴って、理事会メンバーも多様化していたのです。 竣工当時からの住民か、転入してきた住民か。 17年前の理事会ではその違いが際立っていましたが、今の理事会には団地で育った世代も理事として出席するようになっています。 「団地の子ども会で一緒だった」と顔なじみの間柄だった人もいたようです。しかし、私自身は子ども会に属しておらず、2月の“役決め”の段階では初対面の人が半数以上。 長く団地に住んでいても、顔を合わせたことはなく、お互いの職業も年齢も家族構成も分からない…… 穏やかそうな皆さんだし、ベテランも多いから、気楽に行こうっと。だけど、来てない人が2名いるな……ちょっと心配。 私の意識はこの程度。自分が何の役に当たるかも知らずに、呑気な水野がそこにいました。 2月の“役決め”で衝撃の展開。いかつい大工が放った「俺やらんでええやろ」に長老たちがピリつく! そして最高齢の理事から「あんたやったらええやん」と無茶ぶりが! 未経験、フリーランス、単身世帯の女性がなぜ理事長を務める羽目に陥ったのか……その経緯を次回語ります。
水野康子
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