アルピーヌV6ターボ/A610 UK版中古車ガイド(2) 部品をルノー車と共有 弱点は隠れたサビ!
多くの部品を当時のルノー車と共有
アルピーヌ V6ターボやA610の場合、エンジンやメカニズムの状態は、ボディやシャシーの状態ほど重要視する必要はない。多くの部品を当時のルノー車と共有するため、比較的入手しやすい状態にあるからだ。 【写真】部品をルノー車と共有する安心感 アルピーヌV6ターボ/A610 先代A310と現行A110 クリオ V6も (114枚) 一方、英国のオーナーズクラブを率いるピーター・ホワイトハウス氏は、腐食しがちなシャシーの修理には相当な費用が必要だと話す。ボディが接着されており、A610を本格的に対策するのに、1万ポンド(約192万円)近くかかることもあるという。 V6ターボの方が、シャシーの修理費用は小さく抑えられるとか。それでも、サビが酷いものより、状態の良いクルマを選んだ方が、限られた予算を効果的に使えるはず。 エンジン廻りでは、オーバーヒートの痕跡がないか観察したい。シリンダーライナーがラジエタークーラントに接するウェットライナー構造で、ヘッドガスケットが破損する場合がある。 エアインテークが変形していると、充分な空気が当たらず、必要な冷却効果が得られなくなる。また、ラジエター自体が汚れで詰まっていても同様だ。 タイミングチェーンを採用し、交換の心配は基本的に不要といえる。自然吸気エンジンには、変わったレイアウトでソレックス・キャブレターが2基載っている。設定が難しく、不調の原因になりやすい。 シンプルなホーリー・キャブレターやウェーバー・キャブレターへ換装されることも多い。性能も向上できる。
5速MTは堅牢 家族で楽しめるリアシート
5速マニュアルのトランスミッションは、基本的に堅牢。定期的にフルードが交換されてきたか確かめたい。手入れを怠らない限り、殆ど不具合は起きないようだ。 クラッチの異常振動は、フルード漏れが原因の場合がある。A610の交換用クラッチは入手が難しい。英国では特別注文で入手可能だが、お値段は500ポンド(約10万円)以上するという。 初期のV6 GTなどには、メトリック規格のタイヤが組まれていた。純正のサイズはフロントが190/55 VR365、リアは220/55 VR365で、15インチとなる。リア側は特に高価なアイテムで、一般的なタイヤへ交換されている場合が殆ど。 V6ターボでは、前が195/50、後ろが255/45の15インチ。A610では前が205/45、後ろが245/45の16インチを履く。 スペアタイヤがフロント側に積まれ、荷室と呼べる空間が存在しないことにも注意したい。そのかわり2+2のリアシートを備え、パートナーだけでなく、子どもとも一緒にドライブを楽しめる。 ちなみにドイツのルノー・ディーラーは、10台ほどのA610のルーフをカット。コンバーチブルを独自に製作し、販売している。ルノー自らもカブリオレを試作したものの、正規での提供には至らなかった。