世界的な“ナチュラルワインの祭典”が日本初上陸!世界15カ国以上、韓国やフィンランドからも参戦
「韓国には約100のワイナリーがありますが、ナチュラルワインを造っているのは3軒ほどです」と語るのは、造り手のJoshua hojung chungさん。 白ワインに使われていたのは「チョンソ」という韓国の土着品種。韓国にも土着品種があるとは、お隣の国ながら、知らないことはまだまだ多い。ちなみに赤ワインは日本ワインでもおなじみの「マスカットベリーA」を主体としている。 韓国料理というと、唐辛子やニンニクの効いた料理を思い浮かべる人も多いだろう。それゆえ韓国料理に合うパワフルな味わいかと思いきや、どちらのワインもスムースで軽やかな飲み口。和食との相性も良さそうだ。 ワイン造りには適さないのでは? と思うような国のワインもあった。 それがフィンランドの「Noita Winery」。
フィンランドは夏でも気温が上がらないなど、ブドウの生育には向かない気候とされてきた。そこでこのワイナリーは自社畑を持たないアーバンワイナリーとしてスタート。大半はオーストリアから輸入したブドウを使って醸造をしているが、最近では自社でPIWI品種を少しずつ栽培しはじめているという。ロックなラベルが印象的だが、どのワインもとてもクリーンで洗練された味わいになっている。 ちなみにPIWI品種とは病原菌に耐性を持つブドウ品種のこと。農薬に頼らず、気候変動などによる病害を減らすことができる、サステナブルな品種なのだ。 中南米のペルーから参加していた「Bodega Murga」も会場で注目されていたワイナリー。 ワイナリーのあるピスコ産のブドウを使い、伝統的な製法で作られたこちらのワインは、どれもクリーンで、エレガントな味わい。「ペルーワインのポテンシャルに驚いた」という声も、多く聞かれた。 最近、国内でもりんごから作られた「シードル」が人気を集めているが、スイスの「Cidrerie A Heftig」は、なんとシードル専門のワイナリー。 ワイナリーのあるベルン地方の古樹から採れた、稀少な品種のりんごを主に使っていて、それぞれのりんごの特徴を活かしたシードルが作られている。こんなに多くのりんご品種がスイスにもあるのかと驚くとともに、甘味や酸味など、りんごの個性が想像以上に出ていて、シードルの新たな魅力に気づかせてくれた。
日本初開催ということで、日本を代表するワイナリーとなった「ドメーヌ・タカヒコ」など7ワイナリーと、4つの日本酒の酒蔵も参加。開催国のワインを知りたいと、海外の生産者もテイスティングに訪れ、活況を見せていた。 ナチュラルワインの奥深さを堪能できた今回のイベント。次回開催は未定だが、日本に再上陸した際には、ぜひ参加してみてほしい。 林田順子=取材・文
OCEANS編集部