「文春に5.5億円請求」松本人志の名誉棄損裁判で「休業補償も上乗せ」戦略の“影響”
『週刊文春』の性行為強要疑惑報道に対し、名誉毀損で約5.5億円もの損害賠償を求めて提訴した『ダウンタウン』松本人志。6月上旬に行われた裁判で、松本側は新たに休養損害を請求することを明らかにした。 【写真も…】「松本人志さんの飲み会にアテンドされて」…美人元作曲家「実名&顔出し」で衝撃告白 松本側の代理人は、休業損害も請求する予定であることを明かし 「今の金額(約5.5億円)を超えることになるかもしれない」 と請求金額を増額する可能性を示唆したという。 損害賠償として約5.5億円を請求しているが、名誉毀損裁判では勝訴しても数百万円から1千万円程度の賠償命令が多く、“現実離れの請求金額”との指摘も上がる。それだけに、裁判戦術を補強するため、休業損害を追加することになったとも推測される。 だが、今年1月に所属する吉本興業は 「様々な記事に対峙して、裁判に注力したい」 との松本本人の「強い意向」で、活動休止することになったと発表。松本自身も同日、X(旧ツイッター)で、 《事実無根なので闘いまーす》 などと、裁判で闘うことを宣言した。 このいきさつからすると、休業は本人の「強い意向」だったはず。自分の意志で休業したのだから、休業損害を請求するとの新方針は、疑問を感じる。 『週刊文春』の記事が原因で休業して裁判に集中せざるを得なくなったと主張する可能性が考えられるが、いずれにしても、松本側が休業損害をどう算定して具体的な金額を新たに請求し、裁判所がどう判断するのか注目される。 一方の文春側は 「芸能界のトップに君臨する原告が複数の女性に対して同意なく性的行為に及んだ事実を報じた」 「記事は真実で公益を図る目的だった」 などと主張。松本側の被害を訴えている女性の身元特定の要求については 「SNSで被害を受けている。身元を特定しなくても事実の認定は可能」 などと反論し、真っ向から争う姿勢を見せて全面対決となっている。身元特定はしないまま進めることになったという。 名誉毀損裁判では記事の“公共性、公益性、真実性、真実相当性”が争われ、それによって損害賠償や休業損害か発生するかどうかも決まってくる。記事の題材が性加害の問題なので公共性・公益性はクリアするとみられる。 やはりポイントは、報道された性的強要の記事の“真実性・真実相当性”だ。これらが認められれば、松本側の損害賠償や休業損害の請求が棄却される可能性が高い。 逆に記事の真実性・真実相当性が認められず名誉毀損とされれば、一定額の損害賠償支払いが文春側に命じられる。さらに新たに請求する休業補償についても認められるかもしれない。 「今回の裁判では、現場のビデオや録音した音声の直接的物的証拠があるとは考えにくく、最終的には松本とA子さんら“告発者“の証言がカギを握るとみられます。A子さんは、週刊文春(4月4日号)の独占手記で、性的被害は《すべて事実》と改めて主張しています。 ネット上ではA子さんら告発者に対して“金目当て”“虚言”などの罵詈雑言が溢れていると訴えた上で、《それでも私は絶対負けない》《私は何度でも証言台に立つつもり》などと語っており、固い決意が伺えますね」(スポーツ紙記者) 次回の裁判は8月4日に行われる予定ということだが、いずれにしても、今後も予断を許さない展開が続くことが予想される。 双方がどんな主張や証拠を提出するのか、そして裁判所が性的強要の有無をめぐって真っ向から対立している両者の主張をどう判断するのか……今後の展開が注目される。 文:阪本 良(ライター、元『東京スポーツ新聞社』文化社会部部長) 現在はWebマガジン『PlusαToday』を始め、芸能、映画、ハリウッド情報などの記事を執筆。日本映画ペンクラブ会員
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