10日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場（気配値）は、実需のドル買いがやや優勢となり、1ドル＝157円近辺に強含んでいる。正午現在は156円98～98銭と前週末（午後5時、155円42～42銭）比1円56銭の大幅ドル高・円安。 　前週末の海外市場では、米国で発表された5月の雇用統計が市場予想を上回り、米雇用情勢の底堅さが示される結果となった。これを受けて米利下げ観測が後退し、米長期金利上昇を背景にドル買い・円売りの動きが強まり、一時157円10銭近くまで上伸した。取引中盤は、円が短時間で売られすぎたとの見方から買い戻しが入って156円台後半に値を戻した。終盤は週末で手控えムードが広がったことに加え、日本政府・日銀による為替介入への警戒感から上値が重く、156円50～70銭程度で推移した。 　こうした海外市場の流れを引き継ぎ、この日の東京時間は156円80銭台でスタート。仲値にかけては、国内輸入企業によるドル買い・円売りがやや優勢となり、157円に迫った。ただ、「157円台では介入警戒感が高まる」（外為仲介業者）とみられており、その後は小幅にもみ合う展開が続いている。 　今週は、米連邦公開市場委員会（FOMC）や米CPI、日銀の金融政策決定会合などが控えており、市場では「イベントの結果次第では相場が大きく動く」（同）との警戒感から「様子見姿勢が広がっている」（国内証券）との声が聞かれた。 　ユーロは朝方に比べ対円で小動き、対ドルで小幅安。正午現在、1ユーロ＝169円03～03銭（前週末午後5時、169円29～30銭）、対ドルでは1．0767～0767ドル（同1．0892～0893ドル）。