ルノーと「EV知財で妥協」「対等出資で合意」、日産は損して得を取れたのか
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日産自動車が仏ルノーとの“ 不平等条約 ”解消に漕ぎつけた。1999年、ルノーが倒産寸前だった日産の筆頭株主となって以来、事業規模で上回る日産がルノーの支配下に置かれる歪な構図が続いてきた。それは日産の業績回復後も変わらず、逆にルノーが不振に陥ると日産が高い配当で支える形になった。 日産が保有するルノー株式にはフランスの会社法の規定で議決権がない。2019年ごろには、仏政府がルノーと日産の経営統合を画策したこともある。ルノーは日産株の43%、日産はルノー株15%持ち合ってきたが、これを双方15%出資する形に持ち込めたのは、まさに悲願達成と言っていい。ルノーに対する15%分の議決権も手に入れる。 だが、大方の祝福ムードとは裏腹に、日産にとってよいことばかりではないとの指摘もある。日産は一連の交渉の過程で、EV関連技術という“虎の子”の経営資源を犠牲にしたとも言えるからだ。
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