阪神が抱えるセカンドという死角
関本賢太郎も、セカンド経験者だが、サードならまだしも、セカンドの守備には不安がある。内野の控え選手が限られているため、6日の中日戦では、新井に代走を送らず、代打、関本の二塁打で、勝ち越しのランナーだった新井が本塁で憤死するというベンチのボーンヘッドも生まれている。セカンド問題の死角が、チームに負の連鎖を生みつつあるのが実情なのだ。荒木は、打撃が問題。大和のコンバートも打撃に影響を与えている。内野なら、どこでもできるユーティリティープレーヤーの坂は、できるだけ終盤までベンチに置いておきたい、今成や関本は守備が不安……。では、阪神のセカンド問題のベストな答えは何なのだろうか? 阪神DCで評論家の掛布雅之氏の意見はこうだ。「この問題は、セカンドという守備をどうするか、1番バッターをどうするかというふたつの問題を含んでいる。私は、そもそも、西岡が怪我した時点で、1番・鳥谷の構想を崩して3番に持ってきたことが、ボタンの掛け違いだったと思っている。和田監督も予期せぬアクシデントで難しい決断を求められていると思うが、センターラインをコロコロと変えることは、その選手だけではなく、ピッチャーの心理や配球にも悪影響を与える。できるなら固定したい。若い選手に対しての評価を早急に決めてしまうのではなく、腹をくくって我慢して使うことも必要ではないか」。 掛布氏が、暗に示唆しているのは、プロ4年目の荒木の起用だ。左打者の荒木は、2軍でも対左投手では打席に入っていなかったため、未知数だが、それも経験次第。2軍には、“掛布チルドレン”と呼ばれている北條史也、西田直斗らのセカンド予備軍も控えているが、現状では、それらの若手の中では、荒木が抜け出ている状況なのだ。 元阪神のチーフスコアラーで、現在は、岡山商大野球部を教えている三宅博さんは、「内野手を作るのには時間がかかります。特にバッティングはそうです。慣れというものが必要になってきます。守備に不安がないのならば、これをいい機会にバッティングに目をつぶっても若い選手を使い続けることではないでしょうか。大和にしても、明らかにバッティングに影響が出ています」という意見だ。