パチンコ業界「スマパチ限定のラッキートリガー出玉緩和」で“高射幸性の時代”に突入 一方で浮上する“楽しみたいユーザー”離れの懸念
“楽しみたいユーザー”が離れてしまう懸念
全国のパチンコホール情報を提供するサイト『P-WORLD』は、「パチンコ&パチスロアワード2024」を発表している。このアワードは、ユーザーとホールの投票で、その年に支持された機種を決めるというもの。パチンコ部門では『e Re:ゼロから始める異世界生活 season2』(大都技研)が“GOLD”、『P 魔法少女まどか☆マギカ3』(京楽産業)が“SILVER”、『ぱちんこシン・エヴァンゲリオン Type レイ』(ビスティ)が“BRONZE”を獲得した。 このうち『e Re:ゼロから始める異世界生活 season2』と『ぱちんこシン・エヴァンゲリオン Type レイ』はいずれもミドルスペックと呼ばれる標準的な射幸性の機種。『P 魔法少女まどか☆マギカ3』はラッキートリガー搭載機だが、ライトミドルスペックと呼ばれる比較的射幸性が低い機種だ。 「射幸性が高いラッキートリガー搭載機が増えている一方で、既存のスペックの機種を支持するユーザーもまだまだ多いということです。射幸性が高くなりすぎるとユーザーへの負担が大きくなり “お金がもたなくなる”といった懸念も出てきます。射幸性が高い機種のほうが人気になりやすい傾向がありつつ、趣味として楽しみたいユーザーも多いということでしょう」 そうしたなか、2025年以降は、射幸性の高い機種が次々と登場する予定だ。 「ここ数年のパチンコは出玉規制が厳しく、とにかく“出ない機種ばかりだった”というイメージがあります。しかし、スマパチ限定のラッキートリガー出玉緩和もあり、現在は“過去最高の射幸性”が実現できると言っても過言ではない状況です。射幸性を求めるユーザーにとっては歓迎すべきことかもしれませんが、かなり危うい状況であるのも事実。 今後射幸性が高い機種ばかりになったら、“楽しみたいユーザー”が離れていってしまう懸念も生じますし、依存症の問題もより一層深刻化してくるはず。また、射幸性が高すぎることによるユーザーへの悪影響が顕在化すれば、再び出玉規制が厳しくなり、ユーザーにとってはまったく魅力的ではない機種ばかりになってしまう未来も予想されます。そういったことを考慮したうえで、2025年は射幸性が高い機種だけでなく、遊びやすい機種がもっと出てくることを期待します」 高射幸の時代に突入する2025年のパチンコ業界。その先にあるのは光明か、それとも──。後編記事では2024年のパチスロを振り返る。 ■後編記事:【パチスロ業界本格復活へ】スマスロ時代になり「出玉性能」だけでなく「ゲーム性」が評価される機種も人気に 新機能「ボーナストリガー」にも期待の声