竜王戦7番勝負第6局2日目に臨む）藤井聡太竜王（日本将棋連盟提供）

　藤井聡太竜王（名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖＝22）が佐々木勇気八段（30）の挑戦を受ける、将棋の第37期竜王戦7番勝負第6局が11、12の両日、鹿児島県指宿市「指宿白水館」で行われ、後手の藤井が佐々木を下し、シリーズ対戦成績を4勝2敗とし、竜王4連覇を達成し、7冠を堅持した。これで通算タイトル獲得を26期とし、歴代5位の谷川浩司17世名人（62）の27期に、あと1期に迫った。 【写真】藤井聡太竜王の昼食「海鮮丼定食」 　将棋界の最高峰タイトルを争う竜王戦第6局の戦型は相掛かり。双方が飛車先の歩を突き合い、がっぷりと組み合った。研究手がかみ合ったのか、1日目の昼食休憩まで67手まで進み、イッキに終盤戦に突入した。午後に入り、佐々木が優勢を築いたが、封じ手直前に放った佐々木の71手目、9筋への端角を打っての王手の強襲に、藤井が冷静に歩を打って対応した。 　誤算があったのか、頭を抱える佐々木。相手が長考で放つ渾身（こんしん）の勝負手を受けきった藤井は、相手が何を指しても玉を取られることはないと読み切り、終盤は強気の決め手順を放った。1日目は挑戦者の作戦に引き込まれたが、一瞬の好機を逃さずに逆転勝ち。竜王4連覇を果たした。 　苦しいシリーズだった。第2局、4局を落とした。第4局は終局時間が7番勝負のタイトル戦では歴代2位の「最速敗戦」。挑戦者の用意周到な作戦に苦しめられた。 　竜王戦の防衛で、7冠を保って24年を終えることになった。6月には全8冠から陥落したが、棋聖、王位と防衛を果たし、2つの「永世称号」を手にした。 　年明けからは永瀬拓矢九段（32）を迎える王将戦7番勝負が始まる。