イスラエル軍、慈善団体職員を殺害 正体は10月7日の奇襲に参加した戦闘員だと主張 遺族は虚偽と反発
イスラエル軍は先月30日、昨年10月7日に発生したイスラム組織ハマスによる奇襲攻撃に加わった戦闘員を殺害したと発表。同軍によるとこの戦闘員は、米国を拠点とする慈善団体「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」の職員だったという。 遺族は、イスラエルの主張は男性に対する不法な殺害を正当化するための虚偽だと訴えた。イスラエル軍は、男性が同国南部のキブツへの攻撃に参加したと述べたが、証拠は示していない。ロイターはその詳細を独自に確認することはできなかった。 パレスチナ自治政府系の通信社WAFAは、イスラエル軍がガザ南部で車両を攻撃し、WCKの職員3人が死亡したと伝えた。救助隊によると合計5人の死亡が確認されたという。 モハメッドさんというこちらの男性は、向かい側から走ってきた車両にミサイル2発が命中する瞬間を見たと語った。 WCKはSNSへの投稿で、攻撃があったことを認める一方、職員が10月7日の攻撃に関与していたという情報はないとしている。WCKはガザでの活動を一時停止すると発表。現地から詳細な情報が得られておらず、情報収集に努めているとしている。 この攻撃についてハマスは直ちにコメントしなかった。 イスラエルがWCKの関係者を攻撃したのは今回が初めてではない。今年4月、ガザ中心部での空爆で欧米の国籍の人を含む同組織の関係者7人が死亡した。この時イスラエル軍は誤りを認め、規律違反があったとして高官らの解任を含む懲戒処分を下している。