海外メジャー初Vの古江彩佳が「メディアにスルー」されたワケは? 「歴史的偉業を成し遂げているのに、どうにも地味」
古江彩佳(24)は偉い。 今月14日、米女子ゴルフツアーのメジャー大会の一つ、フランスで行われたエビアン選手権で優勝したのだ。海外メジャーVは日本人女子4人目の快挙である。 【写真をみる】「自然体な笑顔」がすてき! 古江彩佳選手のプライベートショット
ただ、このニュースに既視感を覚えた人もいるのでは? そう、メジャーで最も歴史ある全米女子オープンを笹生優花(23)が制したのはわずか1カ月前。それも自身2度目の全米制覇だった。そのためか、翌朝のスポーツ各紙の1面は、古江ではなく、通算200号本塁打を放った大谷翔平に占められてしまった。
2000年生まれの“プラチナ世代”
渋野日向子や畑岡奈紗、勝みなみら1998年生まれのゴルファーは“黄金世代”と称されるが、ジュニア時代に世界で彼女らを上回る実績を上げた古江ら2000年生まれは“プラチナ世代”と呼ばれた。もっとも、世代の代表は古江ではなく、16歳で日本女子アマを制し、オーガスタナショナル女子アマ3位、アジアパシフィック女子アマVの安田祐香だったのだが。ちなみに二人は滝川二高のクラスメートだった。 しかし、古江は偉かった。 19年10月、富士通レディースでツアー史上7人目となるアマチュア優勝を果たす。ところがこれもその3年前、畑岡が最も格式ある日本女子オープンでアマVを達成していたことからインパクトに欠けた。 プロとなった古江は20、21年の2シーズンで国内6勝を挙げるも、コロナ禍で無観客や人数を制限した試合が続き、盛り上がりはイマイチ。米ツアー初Vを飾った22年スコットランド女子オープンも無観客だった。
五輪には惜しくも手が届かず
パリ五輪切符も逃した。ゴルフ好き以外にも名を知らしめる好機だが、出場圏内の世界ランキング日本人2位に位置していた彼女は選考期限最終戦で山下美夢有(22)に逆転を許した。東京五輪の選考も次点の3位に泣いている。 「そんなこんなで、歴史的偉業を成し遂げているのに、どうにも地味なんだな」 とゴルフ記者は嘆く。 「ショットは正確で、パットもうまい。コンパクトなスイングは無駄がない。身長153センチで飛距離は出ないし、観ていて面白みはないけどね。受け答えも優等生。渋野みたいにキャラ立ちしてないからつまらない」 言わせておこう。それでも古江は、偉いのだ!
「週刊新潮」2024年7月25日号 掲載
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