【思い出のマーメイドS】ハンデもオーナーも同じ〝3度目の正直〟 藤懸貴志&シャムロックヒルが重賞初制覇/2021年
[GⅢマーメイドステークス=2024年6月16日(日曜)3歳上牝、京都競馬場・芝内2000メートル] 今週末はGⅢマーメイドSが行われる。3年前の2021年、このレースを優勝したのはシャムロックヒル(佐々木)。手綱を取ったのは藤懸貴志騎手だった。 1993年生まれの同騎手はゲームで競馬を知ると、00年のテイエムオペラオーが勝ったGⅠ有馬記念を見て感動。中学卒業時に競馬学校に入学した。 騎手デビューは11年。初勝利までに半年近くかかるなど苦戦したが、2年目の12年には重賞制覇に手が届くか!?というレースがあった。50キロの軽ハンデを味方に健闘したが2着。クリスマスキャロルと臨んだマーメイドSだった。それから8年後の20年。再び同じような条件に恵まれた。 「またハンデ50キロの馬でマーメイドSに挑むことになりました。リンディーホップという馬で、クリスマスキャロルと同じ社台レースホースさんがオーナーでした」 結果は12着に敗れてしまうのだが、翌21年みたび条件が揃った。それがシャムロックヒルだった。ハンデも、オーナーも全く同じ。この〝3度目の正直〟を見事に藤懸騎手は生かした。 「行きたい馬が除外されていたし、1番枠だったので思い切って逃げました。最後は他馬と横並びになったけど、引き揚げてくる時にターフビジョンを見たら自分が映っていたのでホッとしました」 デビュー11年目の重賞初制覇。藤懸騎手はしみじみと言った。 「3度も乗せてくださった社台レースホースの関係者と、シャムロックヒルには感謝しかありません」 今年はベリーヴィーナスとともに挑む。軽ハンデを生かして再度の好騎乗を期待したい。(平松さとし)
東スポ競馬編集部