バッタを食べて戦う兵士たちは、なぜか明るく楽しげに歌う 戦略なし、将来像なし。民族間に横たわる不信感。「それでも今は戦うのみ」【ミャンマー報告】2回続きの(2)
▽戦闘に明け暮れる司令官は何を望むのか ザカイ司令官に「ビルマ人を信頼できるのか」と尋ねると「彼らは俺たちを〝部族〟と見下している。信頼するのは難しい。だが軍政を倒すにはビルマ人と協力するしかないんだ」と語った。司令官は民主派指導者アウンサンスーチー氏についても「本当はあまり好きではない。民主主義を語る一方で軍との共存を図ったからだ。軍は必ず市民の権利を奪うのに」と打ち明けた。 司令官には新婚の妻がおり、夏に待望の第1子が生まれる予定だ。「チン州から国軍を追い出したら俺の役目は終わり。村に帰って牧師に戻る。自治ができれば満足だ」。司令官は「民主的な連邦国家が実現するなら最高だが、首都ネピドーまで行って国軍を倒すのは俺の仕事じゃない。それは誰か別の人がやればよい」と話した。「先のことは分からない。目の前の戦いを続けるだけだ」