【祝.伝統的酒造りユネスコ無形文化財登録】蔵数日本一‼「焼酎王国」鹿児島の蔵が目指す消費拡大への秘策は⁉
◇ ◇ ◇ 生産量減少の焼酎業界に新たな風
■鹿児島県の焼酎の現状とは...
鹿児島を代表する特産品、芋焼酎。県内には111の焼酎蔵があり、全国1位の蔵数を誇ります。中でも、芋焼酎を作っている蔵は87あり、銘柄は日々増え続けています。しかし、生産量は2004年をピークに減少傾向に…。今ではピーク時の半分を下回っています。生産量と共に消費量も減っていて、焼酎離れが進んでいます。
■県酒造組合 会長が考える課題と解決策は⁉
(鹿児島県酒造組合・濵田雄一郎会長) 「団塊の世代、団塊の世代ジュニア、この方々の支えでこれまでやって来たところがある。高齢化による飲酒の量が減ったり、新しい若年層の支持を得て埋め合わせるという仕組みができていない。ここが一番の課題」 濵田会長は“香り系”と呼ばれるジャンルが 近年、注目を集めていると指摘。消費量を増やすため、こうした新たなものを提案していくとしています。
■”フレーバー系焼酎”の先駆者”国分酒造”
霧島市の国分酒造です。果実のような香りが特徴の“フレーバー系焼酎”をいち早く開発し販売しました。こちらは「フラミンゴオレンジ」という芋焼酎。ワインボトルのような瓶にフラミンゴのラベルがお洒落な商品です。 (国分酒造・笹山護社長) 「名前の通りオレンジっぽい風味がありますし、よく言われるのはライチ系の風味がある焼酎です」 一般的な芋焼酎は、米麴を使いますがフラミンゴオレンジは芋麴を使い蒸留方法も真空状態でアルコールの沸点を下げる減圧蒸留という手法を用いています。 (国分酒造・安田宣久杜氏) 「普通の水は(沸点が)100度ですが真空状態にすると、段々、沸点が下がってきて50度 付近になる。それで蒸留する。低い温度で蒸発させるので、中の焼酎の生の感覚が匂いがよくでる」
原料に「サツママサリ」というサツマイモを使うことでフルーティーな香りが際立ちました。 (国分酒造・笹山護社長) 「生芋の状態でもフルーティーな香りがあり、その香りが焼酎にも出ていて、フレーバー系の焼酎にはぴったりの芋だと思う」 原料から蒸留まで拘って作られた”フラミンゴオレンジ”2018年の発売以降、若い世代や女性を中心に人気を集めています。 (国分酒造・笹山護社長) 「コロナ禍の伸びは“フラミンゴオレンジ”が非常に大きくて、うちの代表的な焼酎となり国分酒造を支えてくれている銘柄に育ってくれています」