熱いジャズステージを繰り広げる出演者＝七尾市の能登歴史公園

　第34回モントレージャズフェスティバル（MJF）イン能登（北國新聞社、北陸放送、ラジオななお特別協力）は27日、七尾市の能登歴史公園で開かれた。「かもめが翔んだ日」などのヒット曲で知られる歌手渡辺真知子さんらが出演し、能登半島地震の傷跡が残る七尾の空に軽快な演奏を響かせた。 　　●出演料なしで支援 　毎年会場となる七尾マリンパークは護岸が崩壊するなどして利用できないため、会場を移した。中止も検討されたが、音楽の力で被災者を元気づけようとプロとアマ6組が出演料なしで集まった。復興支援として入場無料とし、県内外から約2千人が駆け付けた。 　2年連続出演の渡辺さんは「かもめが翔んだ日」をジャズのアレンジで歌い上げ「皆さんに再会できてうれしい。まちに爪痕が残り、今後もずっと応援していきたい」と一日も早い復興を願った。 　国内のラテン音楽を引っ張ってきたカルロス菅野さんら「熱帯JAZZ楽団」が渡辺さんと息の合ったパフォーマンスを披露。迫力あるリズムを刻み、観客は手拍子して体を動かした。富山県出身のミュージシャンCHIKOさんもパワフルな歌声を届けた。 　名古屋青少年ビッグバンドの演奏で幕開けし、ギタリストの小沼ようすけさんとカイ・ペティートさんによるデュオが聴衆を沸かせた。ジャズ歌手の豊田チカさん、歌手の中本美智子さんらも炎天下の中でステージを繰り広げた。 　MJFイン能登は1989年、米国西海岸のモントレー市と七尾市和倉温泉観光協会がジャズを通した友好を目的に始まった。会場には能登半島地震の義援金箱も設けられた。