【食品産業あの日あの時】2016年8月31日・「Jリーグ YBC ルヴァンカップ」名称変更 ギネス認定されたカップ戦の存亡の危機を救った“ミラノの夜”
32回目となる「JリーグYBCルヴァンカップ」が、今年も3月からスタートしている。今年から大会方式が大きく変更となった同大会には、J1~J3までの全60チームが参戦し、決勝戦まで足掛け約7か月間にわたって各地で激闘が繰り広げられる。言うまでもなく同大会のスポンサーはヤマザキビスケット株式会社(YBC)。2013年には「同一企業の協賛により最も長く開催されたプロサッカーの大会」としてギネス認定されており、現在も記録更新中だ。毎年秋の決勝戦では大会プログラムとともに同社製品の入った「お楽しみ袋」が来場客に配布されており、サッカーファンの風物詩にもなっている。
1992年から続く歴史あるカップ戦だが、現在の名称に変わったのは2016年から。旧称の「ヤマザキナビスコカップ」と言ったほうがピンと来る人も、まだいるかもしれない。2016年2月、YBCはモンデリーズ・インターナショナルとのライセンス契約終了に伴い、9月1日から商号をヤマザキナビスコからヤマザキビスケットへと変更すると発表した。同年の「ヤマザキナビスコカップ」は3月23日開幕で、当初YBCとJリーグは大会終了までこの名称を用いるとしていた。
「9月以降、ライバルのPRをすることになるわけですか!?」 チェアマンの一言がつないだギネス記録
Jリーグが昨年公開した動画『Jリーグの井戸を掘った人達』によれば、Jリーグチェアマン(当時)の村井満がYBC代表取締役社長の飯島茂彰から社名変更についての想いを直接聞いたのは同年5月28日、イタリア・ミラノでのUEFAチャンピオンズリーグ決勝戦視察の際だったという。奇しくもYBCとモンデリーズの契約が終了する8月31日は、同大会のノックアウトステージ(決勝トーナメント)の開始日だった。 翌年からの大会名称変更でやむなしとしていた飯島に対し村井は「9月1日以降、私たちは(御社の)ライバルのPRをやることになるわけですか?」と語り掛け、異例となる大会期間中の名称変更を提案。すでにナビスコのロゴ入りボールは1400個生産済み、スタジアムの看板なども準備が整っていたが、これらをすべて作り直すことを決定した。この時点で20年以上継続していた両者の信頼関係があるからこその決断だった。
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