「部活の顧問を辞めたい…」交通費は"自腹" 学校の教員は"定額働かせ放題"? 実態とは【#みんなのギモン】
■10時間働いても手当は3000円未満 "自腹"負担も
休みたくても休めないというAさん。休日に働くと"手当"が支給されますが‥ テニス部の顧問Aさん 「休日の手当は3時間分までしか出ません。例えば、10時間働いても、手当は3000円未満です。時給に換算すると200円~300円ぐらいです。私たち、高校生のアルバイトよりも、はるかに少ない金額で働かされています。もう"定額働かせ放題"です」 さらに、お金を負担することもあるといいます。 Aさんによると、遠方の大会でも、"朝練"をする必要があり、会場に間に合わせるためには、高速道路を使わざるを得ない場合がありますが、その料金は、全て"自腹"だといいます。また、ガソリン代などの交通費は1キロの移動に対し10円弱しか支給されず、足りない分は自己負担だということです。このほかに、顧問になると取得しなければならない「審判の資格」の費用や、部活で使用する自分の「ラケット」や「テニスウエア」などは、すべて自分のお金で購入しなければいけないと話します。 テニス部の顧問Aさん 「現実的には1年間のトータルでマイナスです。教員の仕事は一度も辞めたいと思ったことはないですが、部活の顧問は"すぐに辞めたい"です。子どもたちのスポーツの場、文化活動の場をなくしてはいけないことは重々承知の上ですが、でも、それが教師の犠牲の上に成り立っているのならば、それは違うんじゃないかと思います。変わっていってほしいです」 Aさんの職場の同僚も、顧問をやりたい人は、ほとんどおらず、未経験で知らない競技の顧問を任されているといいます。Aさんは「顧問は希望制にしてほしい」と訴えています。
■教職員への調査 「部活の指導時間を減らしたい」
部活の顧問をすることで生じる、時間外勤務の負担。では、全国の教職員の実態は? 全日本教職員組合の調査によると、「部活の顧問をしていない」教職員の時間外勤務の平均時間(月) は「88時間」です。一方で、「部活の顧問をしている」(対外試合やコンクールなどがある部)の教職員は、「108時間」と、時間外勤務の長さは突出しているということです。また、顧問の多くが「部活の指導時間にかける時間を減らしたい」と回答し、その分「授業やその準備の時間などにあてたい」としています。