競合続々、バスクチーズケーキをめぐる戦い――コンビニ業界で「鬼門」だったチーズケーキを変革
「予想をはるかに上回る販売で、原材料の供給の都合によりいったんは販売を終了せざるを得ません。これほど短期間で、たくさんのお客様から支持をいただいたスイーツは今年ありませんでした」
バスクチーズケーキという新顔には、セブンのこだわりがこめられている。それは何かといえば、「本物志向」だ。ちまたで販売されているバスクチーズケーキには、日本でなじみの深いカラメルを塗って焦がしたものがある。ところが、バスク地方で食べられているものにカラメルは塗られていない。表面に焦げはあるものの、あくまでそれはチーズケーキの表面を焦がしたもの。セブンはその調理法を再現しているのだ。
バスクチーズケーキ商戦には「ミニストップ」も続いていて、10月22日に「バスク風チーズケーキ」(税込み226円)を発売した。開発を担当したパン・スイーツ商品部の本間みぎ葉さんによると、開発のきっかけは東京・白金にできた専門店の人気。チーズケーキの新しい潮流に触発されたのだという。
「目指したのはミルク感のあるやさしい甘さ。高温で焼き上げ、ほろ苦いカラメルソースを合わせています。しかし、食感と焼き加減をどうするかは苦労しました」
広報担当の篠原淳一さんはこう話す。
「発売直後の売れ行きには驚きました。ほかのスイーツと比べて、初速の売れ行きが4倍から5倍もの勢いなんです。爆発的といってもいいもので、いまも売れ続けています」
他のコンビニと同様、ミニストップでは次から次に新スイーツが投入される。競争は熾烈で、店頭に定着するスイーツはごくわずか。しかし、バスク風チーズケーキは定番化をうかがう勢いだという。開発の本間さんはこう言う。
「フレーバーを変えるなどして、今後も販売を続けていきたいです」
お酒にも合うバスクチーズケーキ
食品スーパーマーケット「成城石井」も動いた。9月1日に「バスクチーズケーキ」(税込み431円)を送りこんでいだ。
バイヤーで商品本部・乳日配課の高瀬信彦さんは、こだわったポイントをこう話す。