鳥栖-磐田戦視察の日本代表・森保監督「一番しびれた」場面はまさかの…感銘受けた横断幕にも言及
◆明治安田J1リーグ最終節 鳥栖3―0磐田(8日、駅前不動産スタジアム) 日本代表の森保一監督が試合を視察し、試合後に約20分間取材に応じた。 ■森保監督が感銘を受けたゴール裏の横断幕【写真】 神戸のJ1連覇や降格する鳥栖と磐田へのエールなど多岐にわたったが「一番しびれました」と熱弁したのが試合前に佐賀県の山口祥義知事が行ったスピーチについてだった。降格決定後、クラブとの連係を確認した山口知事はこの日「この降格をチャンスと捉えたい。愛すべきクラブをもう一回つくり直し、僕たちのアイデンティティーをみんなで確認したい。近い将来、『あの降格があったから僕らの今があって、世界が見えてきた』という日が必ず来る」と呼びかけた。 森保監督は「降格をチャンスに変えようという話をされ、クラブにも在り方や育成、チームのつくり方はどうかと話されていた。鳥栖は鳥栖らしく、磐田は磐田らしくあるといい。鳥栖はユース年代がすごく結果を出し、たくさんの選手を輩出している。鳥栖、佐賀県の良さを存分にこれからのチーム力に反映していただけたら」と願った。 その上で「全国のどこというよりも、47都道府県でそれぞれの特徴を生かし、Jリーグのチームが高いレベルでしのぎを削るという、地域密着型のクラブとしてこれからみんなでつくっていければ」と呼びかける。 来季のJ1は北海道、東北、四国がゼロで、九州もアビスパ福岡だけ。森保監督は「日本全国が地域の戦いになると盛り上がりも出てくる」とした上で「九州のチームはカップ戦で優勝している。でもレギュラーシーズンの中で九州や東北、北海道のチームが優勝する時代が来るといいなと思います」と願った。 森保監督は鳥栖のゴール裏に掲げられた横断幕で「鳥栖が好きな俺だから…」と「恋人がサガン鳥栖」にも感銘を受けた。「鳥栖の試合は映像で見ることが多かったけど、多分観客動員が減っているなと感じていた。きょうみたいにたくさんのサポーターが来てくだされば選手もより躍動する。もっともっとおらが街のチームに誇りを持ち、ピッチとスタンド全体が戦えるような雰囲気になっていくといいなと思いました」。鳥栖の現場からも声が上がっている、クラブとサポーター、地域の結束力「砂岩魂」の再構築を望んだ。(末継智章)
西日本新聞社