外国語習得の最短ルートは「勉強しない」こと 歯磨きをするように言語を学ぶコツ
今、その違いは何だったのか。今振り返ってみると、当時は「勉強」でしかありませんでした。 もっと言えば、いつどこで役立つのかわからない知識を、ひたすら頭に入れて、テストで合格点を取るためだけのものになってしまっていたように思います。それでは身につかなかったのは無理もありません。 しかし、スペイン語をはじめとする12ヵ国語の習得は、実際に取り組んでみると「勉強」ではありませんでした。自在に使えるようになりたい一心で学び方をゼロから見直したことで、習得までの道のりのすべてがワクワクに満ちたものになりました。
■歯磨きをするように言語を学ぶ――習慣化のコツ 外国語学習継続の最大のコツは習慣化です。 たとえば朝、顔を洗う。歯磨きをする。これらの行動は当たり前すぎて、「面倒くさいな。今日はいいか……」なんて思う人はいないでしょう。これに匹敵するくらい当たり前の習慣として、外国語学習が日常に組み込まれると、「面倒くさいな。今日はいいか……」と思うまでもなく継続できます。それどころか学習時間をもたないと気持ち悪いくらいになるかもしれません。
そのためには、1日のうちの「どのタイミングに勉強するのか」をあらかじめ決めておくことをおすすめします。外国語学習の継続の秘訣も、習慣化と密接に結びついています。 「朝、起きたら顔を洗う」「食後に必ず歯を磨く」というように、「昼休みになったらPimsleurを開く」「通勤中はPodcastを聴く」というようにタイミングを決めておくと、日常生活の中で習慣化しやすいでしょう。 ちなみに私は、朝は脳がリフレッシュされていて集中力が高いような気がするので、起床直後を外国語学習の時間としています。
また、1日にどれくらい勉強するかを「時間の長さ」ではなく「量」で決めることも大切です。たとえば、「1日に1レッスンを終わらせる」という具合にです。「時間の長さ」は一見、わかりやすい目安なのですが、「毎日、学習の充実度が高かろうと、最低でも30分勉強する」といった決め方だと、その30分をダラダラ過ごしてしまうかもしれません。 すると、学習の充実度が低い場合でも、決まった時間をただこなすだけで「今日もクリアした」と見なしてしまうという落とし穴があります。すると、「毎日、勉強時間を確保している割にぜんぜん上達しない」という状況に陥る危険性があります。