佐々木朗希争奪戦 メジャー球団のカギを握る“助っ人”の存在
ロッテからポスティングシステムでメジャー入りを目指す佐々木朗希投手(23)の交渉期間が10日、スタートしウィンターミーティング(WM)中の各球団が続々と獲得に名乗りをあげた。交渉の過程でドジャース・大谷翔平投手(30)、パドレス・ダルビッシュ有投手(38)ら現役選手はもちろん、マリナーズOBのイチロー氏(51)ら、各球団がゆかりのある大物日本人を起用する“代理戦争”に発展する可能性が浮上。交渉期限は米東部時間の来年1月23日午後5時(日本時間24日午前7時)までの45日間で「20球団以上」という大争奪戦がいよいよ動き出した。 “代理戦争”に発展しそうな裏には、朗希ならではの事情がある。 通常のFA選手であれば、最大のアピールポイントは契約金額に表れる。金がすべてではないとはいえ、米国では日本以上に金額が選手の価値を表すものとしての認識が強い。代理人が間に入る交渉のため、よりよい条件のチームを優先させるのは自然だ。 だが、23歳の朗希はマイナー契約しか結ぶことはできず、契約金は最大でも750万ドル(約11億円)ほど。昨オフに25歳でド軍と契約した山本は12年総額3億2500万ドル(約465億円=契約当時のレート)の契約を手にしたことを考慮すると“格安物件”だ。そのため、金銭面では30球団がほぼ横並びになっている。 メジャーでは現役選手やOBがアピールすることは決して珍しいことではない。だが、札束では示せない誠意を見せるために、他の選手への交渉以上に、朗希の心を揺さぶるであろう“助っ人”の起用に、各球団は積極的に動いている。 17年オフの大谷争奪戦ではドジャースがカーショー、ジャイアンツがポージーと看板選手を起用。昨オフにド軍は、17年に撮影し、お蔵入りとなっていた故・コービー氏(元NBA選手)のメッセージ映像を使って大谷を口説いた。さらに大谷は契約合意直後から山本、グラスノーの交渉に加勢して獲得に貢献。オフにもチーム力が試されることになる。
報知新聞社