公立高からドラ1複数指名なら36ぶり快挙…明石商の中森俊介&来田涼斗がプロ志望表明し「違うチームで対戦したい」と願う理由
中森は、今季の菅野が歴史的な投球を続けている理由をこう“解説”した。 「ボクなんかが言うのもおこがましいですが、今年は開幕から投球フォームが違っていて、軸足のタメが長い気がします。真っ直ぐの球威も昨年以上ですし、初球からフォークで入ることもある」 配球面にも触れる解説。頭脳派と呼ばれる中森らしい分析である。 実際に学校の成績も優秀。ただ、本人は、「そんなことはありません。考え方が他の人と違うだけ。ボクは論理的に考えるタイプ」と謙虚だ。 現在はランニングを欠かさず、それぞれ週2回のペースでピッチング練習とチューブなどを使ったウエートトレをこなし「下半身をうまく使って力を上半身に伝えたい」という。 一方の来田も、走攻守揃ったポテンシャルが高く評価され、「1位でしか獲れないかも」との声がスカウトから漏れる。 来田自身の憧れの選手は”超人系”。中学時代は、阪神の糸井嘉男だったそうで、現在はソフトバンクの柳田。 「プロはすごい投手ばかりなので対戦したい人は今はいません。3拍子そろった選手を目指してきました。プロでもそうなりたい」と目標を掲げた。 もし同一公立高校から複数人のプロ指名となれば、2007年の市立船橋の岩崎翔(ソフトバンク1位)、山崎正貴(オリックス4位)以来、13年ぶり、2人とも1位指名となれば1984年の箕島の嶋田章弘(阪神)、杉本正志(広島)以来、36年ぶりの快挙となる。 2人をプロへと送り出す狭間監督は「中森の場合は高校で完封できんかった。そんなんじゃプロで通用しないぞ、と言ってきた」とまずは、お決まりの辛口コメント。 「本人も私も大学進学で悩んだが、肩周りや股関節が硬いので、ケアの面でプロに行った方がいいのではとアドバイスした。意識も高いのでプロに行っていいかもしれない」とエールを送った。 さらに来田には「引っ掛けて一ゴロ、二ゴロばかり。あれではプロは無理や」と、こちらも”狭間節”を入れてから「バットスイングの速さには目を見張るものがある。呼び込んで打てる技術を習得すれば、いいバッターになるかも」と期待を寄せた。 そして「故障したり、伸び悩んだり、壁にぶち当たったときは連絡をくれたらうれしい」と優しくつけ加えた。 運命のドラフト会議は10月26日だ。 (文責・山本智行/スポーツライター)