東芝ブレイブルーパス藤田コーチが、かつて「人生が懸かった場面」でリーチ マイケルにかけられた「一言」
リーチ選手が語る、ブレイブルーパス好調の理由
リーチ マイケルは、エピソードの力で唸らせる。 2004年に15歳で来日し、ラグビー日本代表として昨秋までに4大会のワールドカップに出場した35歳。現在、11年から所属の東芝ブレイブルーパス東京で通算2度目の主将を任されているのだが、折に触れては具体的な逸話を伝えてくれる。 【マンガ】「長者番付1位」になった「会社員」の「スゴすぎる投資術」の全容 参戦する国内リーグワンで2季ぶりにプレーオフに進んだという事実を、生きた物語へと昇華する。 練習の負荷を調整したいと首脳陣に相談したこと、怪我から復活するまで独自で考案のトレーニングで身体を追い込んだことのほか、こんな所感も述べた。 「グラウンドにダン・ボーデンと藤田コーチがいて、2人のコミュニケーションは世界一」 接戦をものにしたある日、その背景に自らより5学年下の新任コーチに触れたことがあったのだ。 藤田貴大アシスタントコーチがバックスコーチのダン・ボーデンとともに試合中のウォーターボーイを務めていて、動きの合間に円陣を組むフィフティーンへ効果的な助言を施しているという。 リーチはこうも補足する。 「藤田コーチがレフリーをしていて、厳しくやっています」 ラグビーで反則をすれば、それだけライバルの攻める機会が増える。普段のトレーニング時から順法精神を養うのはマストで、それには藤田が一役、買っているのだという。
勝利のために大切なこととは
ブレイブルーパスは昨年12月からのこのシーズンで、開幕8連勝と躍動した。旧トップリーグ時代で最後に日本一になった2009年度以来の記録だ。4月中旬には4傑以内を確定させ、5月下旬からはプレーオフで日本一を争う。 立役者は、2人の新外国人だと見られがちだ。長らくニュージーランド代表として活躍してきたシャノン・フリゼル、リッチー・モウンガがそれぞれリーチと同じフォワードの第3列、司令塔のスタンドオフに入り、活躍していた。 新戦力の存在が大きいのは、確かに現場も認めるところだ。 しかし、大型補強だけで果実を得られるほど国内トップのスポーツリーグは甘くない。選手名鑑が表す顔ぶれの豪華さと実際の順位がアンバランスな例は、推挙にいとまがない。 むしろ大切なのは、グループがそこに集まった能力を最適に動かすことだ。コーチングであり、マネジメントであり、そもそもの人間関係が肝となる。 リーチがする藤田の話は、いわば本質に即した説明と言える。