大量閉店「イトーヨーカドー」、今後注力する食品メインの店舗も再出発からわずか4年で閉店に…。売り場から透ける「消費者の見えてなさ」
■消費者の変化、街の変化に対応できているか? さて、イトーヨーカドー西川口店を訪れながら、その閉店について考えてきた。 イトーヨーカドー西川口店の閉店は、中華食材の扱いを見れば、腑に落ちるものではないか。結局、街に合わせることができていないのだ。中華食材が、「ただ」あればいいのではない。重要なのは、「なぜ、中華食材を置くのか?」ということ。 その根底には「消費者の変化」「街の変化」に合わせる、という理念がなくてはならない。そうした理念がなく、形だけの「地域密着」になってしまっているのが、現在のイトーヨーカドーなのかもしれない。
また、今回は中華食材だけを取り上げたけれど、それ以外の売り場についても同様で、駅前にスーパーがある中、イトーヨーカドーならではの強みが見当たらない。であれば、わざわざイトーヨーカドーで食品を買おうという気持ちにならないのも確かだと感じる。 この西川口店で見た光景は些細なものかもしれない。しかし、そうした小さな光景の積み重ねが、結局、現在のイトーヨーカドーの凋落を物語っているのかもしれない。 【画像16枚】大量閉店「イトーヨーカドー」、今後注力する食品メインの店舗も再始動からわずか4年で閉店に…。その「残念な売り場」
谷頭 和希 :チェーンストア研究家・ライター