失業保険の待機期間「2ヶ月分」の貯金がない! でも「日雇いバイト」をすると給付を受けられなくなるって本当? 不正受給と判断されないための注意点も解説
令和2年10月より、失業保険の給付制限期間が3ヶ月から2ヶ月に短縮されました。労働者にとっては有利な改正ですが、貯金がないため失業保険が支払われない2ヶ月を無収入で過ごすことのできない人はどうすればよいのでしょうか。 本記事では、失業保険の「待機期間」と「給付制限期間」について確認していきましょう。 ▼早めに転職が決まったら「受給できる手当」を確認しよう!
失業保険の「待機期間」と「給付制限期間」とは
まず、失業保険にまつわる混乱しやすい用語と制度の概要について整理しておきましょう。 通常、自己都合退職の場合は離職日のあとに「離職票」が自宅まで送られてきます。その離職票とその他の必要書類をそろえたうえで、管轄地のハローワークで書類を提出し、求職の申込みが受理された日が、「受給資格決定日」となります。 失業保険に関する「待機期間」とは、前述の「受給資格決定日」から7日間の、失業保険基本手当が支給されない期間のことをさします。これは「仕事をしていない状態を確認する期間」であり、この待機の確認が取れた日の翌日から、基本手当の支給対象となります。 それに対し「給付制限期間」とは、この「待機期間」が終了した翌日から数えて2ヶ月間、基本手当の給付がなされない期間です。これは退職理由が自己都合であるなど、給付制限がある場合に適用されるルールです。 他にも、離職後はハローワークで「雇用保険受給者初回説明会」への参加を求められていることや、4週間に1回の頻度で失業の認定を受ける「認定日」にはハローワークへ直接申し出る必要があることなど、押さえておきたいルールが多数あります。図表1を参照しながら、理解を深めていきましょう。 図表1
厚生労働省リーフレットより抜粋 通常の場合、自己都合で離職した日から初回の失業給付金が銀行口座に振り込まれるまでには、3ヵ月近い期間がかかると考えておくのが良いでしょう。
待機期間」「給付制限期間」中、アルバイトなどをしてはいけないわけではないが……
ハローワークのサイトによると、失業保険の「不正受給の典型例」に以下の記述があります。 ●就職や就労(パートタイマー、アルバイト、派遣就業、試用期間、研修期間、日雇などを含む)したにもかかわらず、「失業認定申告書」にその事実を記さず、偽りの申告を行った場合 ●内職や手伝いをした事実及びその収入を「失業認定申告書」に記さず、偽りの申告を行った場合 これは失業保険の基本手当を受給中にアルバイトなどをする場合を想定しているものですが、「待機期間」「給付制限期間」にも、基本的にはアルバイトをすることは制限されています。 ただし、週の所定労働時間が20時間未満である場合などは例外的に、アルバイトをしてもペナルティはありません。しかし、収入額によっては、受給額が減額され得る場合もあります。 また、アルバイトの労働時間にかかわらず、初回認定日および給付制限期間があけた最初の認定日で提出する失業認定申告書に、アルバイト・パートをした日などを正確に申告することが求められます。 申告をせずに基本手当を受給した場合は「不正受給」と判定され、以降の基本手当の支給が停止するとともに「不正に受給した額の3倍の額」の納付を命じられる場合があります。失業保険を受給する場合は、ハローワークへ相談して自分はどのような扱いになるかを相談し理解するとともに、アルバイトなどをした際の申告は忘れずに行いましょう。