ドライブの大敵 クルマ酔いを起こさせない運転方法と克服方法
年末年始を控え、帰省や旅行の計画を立てている人は少なくないでしょう。長期休暇の際にクルマで移動をするとなると、どこでどれだけ渋滞にはまるのかはもっとも気になることですが、同乗する人にクルマ酔いしやすい人がいると、それもまた悩みの種になりますよね。 【画像ギャラリー】ドライブの大敵クルマ酔いを起こさせない運転方法と克服方法(9枚) 渋滞はある程度覚悟をしなければなりませんが、クルマ酔いは、運転操作や事前の対策で、予防や克服をすることが可能。ドライブの大敵、クルマ酔いを起こさせない運転方法と克服方法をご紹介しましょう。 文:吉川賢一/アイキャッチ画像:Adobe Stock_Viktoriia M/写真:Adobe Stock、写真AC
クルマ酔いは自律神経のバランスが崩れることで起きる
製薬会社の沢井製薬によると、クルマ酔いは、自律神経のバランスが崩れる(失調)することで引き起こされるそう。クルマに乗ると、耳の奥にある平衡感覚をつかさどる三半規管が揺さぶられますが、目や身体は動いていないため、三半規管がある内耳からの情報と目からの情報にずれが生じ、この情報のずれを脳が「不快」と判断すると、自律神経が興奮して、クルマ酔いの症状が起きてしまうそうです。 クルマ酔いしやすい、という人は、情報のずれを不快と感じやすく、また、自律神経が不安定になりがちな傾向があるそう。年齢や性別によっても傾向が異なり、自律神経が未発達な子どもは酔いやすいですが、逆に乳児は小脳が発達しきれていないためにずれを感知しにくく、自律神経は血圧の変動とも関連があるため、血圧が下がりやすい女性は、男性よりもクルマ酔いしやすいとのこと。 また、普段はクルマ酔いをしない人でも、体調によっては、自律神経が不安定になるために、クルマ酔いをしてしまうことがあるそうです。
情報のずれを生じないようにする運転操作を!!
目からの情報と内耳からの情報にずれが生じることで、それを脳が不快と判断し、その結果、自律神経が興奮してクルマ酔いの症状が起こる、ということは、クルマ酔いは、情報のずれを生じないようにすることや、それを不快と判断しないようにすること、そして自律神経のバランスが崩れないようにすることで、克服できそうですよね。 情報のずれを生じないようにするには、まずは運転操作を丁寧に行うことが重要です。ポイントは「じわーっと操作する」こと。ブレーキペダルもアクセルペダルもハンドルも、じわーっと操作することでクルマは急な動きがなくなり、同乗者は次の動きを予測することができます。また、少し操作したあとに、必要なぶんだけ操作を足していく運転操作をすると、滑らかな加減速と旋回をすることができ、情報のずれが生じにくくなると思われます。 この「じわーっと操作」をするためには、ドライバーは、自車のすぐ前だけを見ているのではなく、前走車がいる場合は、2~3台先を見て、ドライバー自身がこれからの操作を予測する必要があります。常に2~3台先のクルマの動きを見ておくことは、急ブレーキや追突のリスクも減らすことができますので、意識するようにしたいところです。 また、沢井製薬によると、ドライバーと離れた席ほどずれが生じやすいため、ドライバー席から近い席(乗用車なら前席)に座り、加速度に影響されない遠くの景色を眺めるといいそう。下を向いていると、三半規管に旋回や加速が伝わりやすくなってしまうため、ゲームやスマホは避けるべき。「酔いそうだな」と感じたら、早めにシートを倒して横になってください。横になって頭が固定されると、情報がずれにくくなるため、酔いにくくなるようです。