第三のN-BOX、JOY見参! ギアっぽい方向でなく”もっと気楽に”がテーマ
ホンダは、ベストセラー軽のN-BOXの新しいシリーズ、「N-BOX JOY」の概要を発表した。N-BOXは、N-BOX/N-BOXカスタム、そしてこのN-BOX JOYが加わったことで、シリーズが完成する。正式発表は9月26日(木)、発売は9月27日(金)を予定している。 【画像を見る】内装にチェック柄がオシャレなN-BOX JOY ※本文中に画像が表示されない場合はこちらをクリック PHOTO:中野幸次(NAKANO Koji)第三のN-BOX、JOY登場! N-BOXの第三のモデル、N-BOX JOY。Nシリーズは、「ニュー・ネクスト・ニッポン・ノリモノ」として2011年にデビュー。瞬く間に大ヒットモデルとなり、現在では乗用/軽合わせて日本でもっとも売れているクルマとしての地位を不動のものとしている。 現行N-BOXは2023年に登場した3代目だ。3代目N-BOXのコンセプトは、ハッピー・リズムボックスだ。 軽のスーパーハイトワゴン市場はコロナ禍以降、年間約60万台規模まで回復している。そのなかでN-BOXに新しいシリーズN-BOX JOYを投入する狙いは、大きくふたつあるという。ひとつめは保有台数が256万台(!)に拡大したN-BOXユーザーに対して、新たな選択肢を提供することだ。 スズキがスペーシアに対して「スペーシアギア」を、ダイハツがタントに対して「タントファンクロス」を、三菱が「デリカミニ」を市場に投入したから、ホンダもN-BOXにSUV風の追加モデルを投入するのかと思った。が、ホンダが選んだ道は違った。 他社がSUV風味の派生車種を追加するなか、ホンダは違う方向性でN-BOX JOYを投入するわけだ。N-BOX JOYはN-BOXが持つ高い基本性能に加え、室内の過ごし方を含めたN-BOX JOY独自の価値観で、ベースモデル/カスタムと差別化する。 開発当初、開発陣が議論したのは、N-BOXの派生タイプの方向性だった。他社同様SUVライクな方向なのか、新たな方向なのか。当時はコロナ禍にあり、人々の価値観は大きく変わろうとしていた。 遊びの価値観も変化した。アウトドアレジャーではたくさんの道具を用意してする本格キャンプよりも設備の整ったテントやロッジなどで自然を楽しむグランピングやチェアリングのような気楽さが望まれているのではないかと考えた。 軽スーパーハイトワゴンの利用者に、派生タイプの方向性を尋ねた際、アーバンモダン、ナチュラルアクティブ、セレブリティ、ラグジュアリーのうち、どのイメージに魅力を感じるかという問いに対しては、ナチュラルアクティブに魅力を感じる人がもっとも多かったという。なかでも20代以下の大半はアウトドアにリラックスを求めていることがわかった。もうひとつの狙いは、N-BOX、N-BOXカスタムの2軸から細分化したニーズに対応することだ。 開発コンセプトは「もっと気楽に」 開発コンセプトは「もっと気楽に」だ。みんなが気軽に使える、どこでものんびり過ごせる、ゆったり時間を味わえる。心に余裕を持ち自分のペースを作ることで人生を楽しく過ごせる、そんなクルマだ。コアユーザーは、20代若者(社会人3年目)を想定するが、同じ価値観を共有するプレファミリー、子離れペットありの50-60代夫婦もターゲットとしている。 もともと、3代目N-BOXシリーズを開発するにあたって、N-BOX、N-BOXカスタム、そしてN-BOX JOYの3シリーズでラインアップを構成することは当初から決まっていたという。 また、「JOY」というネーミングは開発当初から決まっていたという。JOYの役割は「JOYをきっかけにN-BOXを知ってもらう、N-BOXの入口になる」ことだ。 グレード構成は、自然吸気エンジンの「N-BOX JOY」とターボエンジン車の「N-BOX JOYターボ」の2グレード構成だ。 パワートレーンは 自然吸気(S07B型)660cc(658cc)直3DOHC(58ps/65Nm)+CVT ターボ(S07B型)660cc(658cc)直3DOHC(64ps/104Nm)+CVT の2種類。パワースペック、セッティングはN-BOX/N-BOXカスタムと同じだ。 タイヤサイズは自然吸気が14インチ、ターボが15インチとなる。 ひと味違う印象を生み出すデザイン エクステリアの方向性は次のようになる。 ●N-BOX:日常に馴染む親しみやすい清潔感・良質なフォーマル感 ●N-BOXカスタム:フォーマル&パフォーマンス ●N-BOX JOY:気軽に使える道具感 3つのキャラクター分けされたスタイリング表現によってN-BOXシリーズのラインアップは完成した。 N-BOX JOYで大切にしたことは、「日常の延長線上に新たな価値を生み出すこと」だという。忙しい毎日のなかに、自分らしく過ごせる空間でのんびりとした時間を過ごしてもらいたいという想いで、デザイン開発のグランドコンセプトである「マイペースを後押しするクルマ」とした。 エクステリアデザインは、顔周りを中心に機能的で頼れる道具であることを感じさせるファンクショナルフェイスをキーワードに開発した。 具体的にはヘッドライトだ。 N-BOXのヘッドライトを継承しつつ、N-BOXの黒艶に対して、N-BOX JOYはアルミ蒸着と白の組み合わせ。機能美をもつカメラのようなイメージで精緻かつタフな動感を表現した。 グリルは、メスティンのように鉄板をプレスしたような大らかな角丸モチーフにすることによって、アウトドアグッズのように機能感を予感させるデザインとした。 サイドでは前後バンパーに合わせてドアにブラックのロワーガーニッシュを施すことでN-BOXの安心感のあるキャビンをより引き立てる。 センターキャップを採用したホイールはあえて方向性のないシンプルなデザインとすることで自然体でどこにでも馴染むホイールデザインとした。 ボディカラーは、時間が経つほど愛着を感じられるような自然に馴染むおしゃれなカラーをラインアップした。N-BOXシリーズとしてデザートベージュパールとボタニカルグリーンパールを新色として追加だ。 2トーンは全5色。ブラックルーフにスレートグレーパール/フィヨルドミスト・パール/オータムイエロー・パール/ボタニカルグリーン・パール/デザートベージュ・パールを組み合わせる。 モノトーンは、プラチナホワイト・パールとクリスタルブラック・パールの2色。 ハイライトはチェック柄の”フラットテラス” N-BOX JOYの最大の特長は、後席を倒すだけで現れる”フラットテラス”と名付けた後部空間だ。どこでものんびり過ごせるという狙いのもと、広く開放的なテラスのようなスペースを作り上げた。 日常で出合う公園や河原などのちょっとした素敵な場所を自分だけのテラスにする、もっと自由に寄り道しようという提案だ。特徴的なチェック柄ファブリックについては馴染み深いチェック柄にすることでリラックスして過ごせるようにした。 後席を前に倒せば広くフラットな空間が生まれる。生まれた空間に座る際の座り心地向上のために、後席にはフレームの凸を感じさせないプレートを入れた。通常であれば黒一色が一般的な空間だが、N-BOX JOYでは国内初の織物表皮と基材の成形、同時接着によってチェック柄にすることができた。 N-BOXカスタムに対してフロア後部を80mm高くすることで広くフラットなテラス空間を実現した。フラットになったフロアにはペットのケージなどの大きい荷物も方向けないで安定して載せられる。27インチ自転車はフラットハンドルであればルーフに当たりにくく楽に搭載できる。
MotorFan編集部
【関連記事】
- 数ある軽自動車の中でも異彩を放つ孤高の存在「ホンダN-ONE」【最新軽自動車 車種別解説 HONDA N-ONE】
- シンプルデザインで飽きのこない道具として「ホンダN-WGNカスタム/N-WGN」【最新軽自動車 車種別解説 HONDA N-WGN CUSTOM /N-WGN】
- マイナーチェンジでフロントフェイスを大幅刷新「日産ルークス ハイウェイスター/ルークス」【最新軽自動車 車種別解説 NISSAN ROOX Highway STAR /ROOX】
- 新型フリードの魅力を走って体感。「ちょうどいい」が着実にアップデート
- さらなる進化を遂げた軽自動車界の絶対王者「ホンダN-BOXカスタム/N-BOX」【最新軽自動車 車種別解説 HONDA N-BOX CUSTOM /N-BOX】