長崎総附の注目GKマガリェンス・アルナウドは悔い残る終幕…父は“育成の大分”を約20年支えた名コーチ「大学で頑張り続けて恩返ししたい」
[12.29 選手権1回戦 正智深谷高 2-1 長崎総合科学大附高 NACK] 地元大分を離れて長崎で過ごした高校3年間で大きな成長を遂げ、高いポテンシャルを表現できるようになってきた長崎総合科学大附高GKマガリェンス・アルナウド(3年=スマイスセレソン)の冬は失意に終わった。 【写真】「イケメン揃い」「遺伝子を感じる」長友佑都の妻・平愛梨さんが家族写真を公開 1-1で迎えた後半13分、正面に飛んできたMF近藤七音(3年=FC多摩ジュニアユース)のシュートを弾き切れず、勝ち越し被弾。それ以外の場面では185cmの長身を活かしたセービングとハイボール処理、飛距離のあるロングキックで存在感を放っていたものの、「細かいところでイージーミスをして失点してしまったことに甘さが出た」と唇を噛んだ。 日々の生活面にも悔いを残した。「1年生の最初のほうは試合にも全く絡めなくて、そこから今の自分を変えなきゃいけないと思って頑張ってきて、試合に出られるようになった。でも今年1年間は自分が試合に出られるようになったことで勘違いをしてしまって、最初の自分と比べたら頑張れていない部分があった」。この経験は今後のキャリアに活かすしかない。 サッカー王国・ブラジルにルーツを持つアルナウドだが、父親は大分トリニータで1998年から約20年間にわたってアカデミーの指導を担ったマガリェンス・リシャルドソン氏。GK西川周作やMF清武弘嗣ら数々の日本代表選手を輩出してきた“育成の大分”ブランドを築いた他、地元のサッカー教室でも数多くのサッカー少年少女から「リシャコーチ」の愛称で慕われる名コーチだ。同氏は昨年、アルナウドも所属した地元街クラブのスマイス・セレソンを離れ、現在はロンドンの日系チームを指導しているが、この日はNACK5スタジアムに応援に訪れていたという。 「お父さんは海外で仕事をしているけど、この選手権のために帰ってきてくれた。いつもサポートしてくれていたので、結果で恩返しをしたかったけどそこが申し訳ない」。そう話すアルナウドは高校卒業後、上武大に進学予定。「大学でサッカーをするという選択を決めたので、今日の試合の借りはサッカーで取り返すしかない。4年間頑張り続けて上の舞台に行って、親に恩返ししたい」と力を込めた。 上武大は今季から、2011~15年に大分を率いた田坂和昭監督が指揮しており、「田坂さんのもとで成長したいと思ったことが大学を選んだ決め手」だというアルナウド。「お父さんがトリニータでお世話になって、自分もトリニータのジュニアでやっていたし、大分には今もお世話になった人や支えてくれた人がいる。いつかトリニータでプレーしたい思いもある」。そんな大きな夢も掲げ、新生活のスタートを切る。