首里城復元に向けて奮闘する日々 「過去を現在に繋げる」 福岡県出身の24歳の女性宮大工も奮闘 【福岡発】
「本当に歴史が深い建物」
休日のこの日、小松さんは、大工仲間とともに那覇市内の焼き物工房を訪れた。「沖縄にいるのが、今年いっぱいなので最後の思い出に」と沖縄の守り神、シーサー作りの体験だ。 小松さんのように全国から集められた宮大工たちは、2024年12月末で作業が終了。残りの工程は地元の宮大工だけですすめられる。 シーサー作りに訪れた客が首里城再建に携わっている宮大工だと知った工房店長の渡嘉敷春美さんは「大袈裟にいうと、生きているうちに首里城の復興はないと思っていました。皆さんのおかげで、こんなに早くっていうことでびっくりしている」と首里城への思いを語った。 小松さんは、首里城に赴いた。休みの日でも顔を出すように心がけているのだ。「琉球王朝時代からの沖縄をずっと見てきた建物。本当に歴史が深い建物だと思っている」と首里城復元に心を寄せる。
首里城は沖縄の苦難の歴史そのもの
14世紀頃に築かれたとされている首里城。栄華を誇った時期もある一方で、2019年以前にも4度焼失している。最も大きな被害を受けたのは沖縄戦だった。『鉄の暴風』に曝され、跡形もなくなるほどの被害を受けた。首里城は沖縄の苦難の歴史そのものだ。 しかし消失する度に再建を繰り返してきた。沖縄県民が首里城に寄せる思いは言葉では言い表せないほどなのだ。 小松さんは「20年、50年、100年と続いて、過去から未来まで多くの人たちが携わっていたことで、努力や苦労がその建物に詰まっているから、皆、感動するのかなと思います。首里城もそうなってほしい」と首里城復元に携わったことを感謝していた。 過去の職人の仕事を知り、未来へと繋ぐ宮大工。小松さんは、日一日と歩みを進める。首里城は、2026年の秋頃の完成を目指している。 (テレビ西日本)
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