日米金融政策の観測が交錯する年明け後の為替市場
2024年は日米の金融政策の方向性の違いから緩やかな円高の流れに
FOMCが予想する2024年3回程度の利下げは、インフレリスクが低下する中、金融引き締めの程度を多少緩める微修正を意味する。他方、金融市場が予想する6回程度の利下げは、米国景気の減速傾向がより明らかになり、景気支援のための利下げという要素を含んでいよう。2024年のFRBの利下げ幅の鍵を握るのは、やはり今後の米国経済の動向である。日本銀行のマイナス金利政策解除も、その影響を強く受けるはずだ。 それでも、FRBが2024年中に利下げに踏み切る可能性は高い一方、2%の物価目標達成が見通せるかどうかは別にしても、日本銀行がマイナス金利政策解除など正常化を志向していることは変わりなく、2024年の為替市場はそうした日米の金融政策の方向性の違いから、ドル安円高となりやすいと見る。2024年末時点で1ドル130円~135円と比較的緩やかな円高進行を予想する。 木内登英(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト) --- この記事は、NRIウェブサイトの【木内登英のGlobal Economy & Policy Insight】(https://www.nri.com/jp/knowledge/blog)に掲載されたものです。
木内 登英