孤独に不安を覚えるのは単身者だけではない LGBTQ当事者が新宿二丁目から発信し続ける「のんびりとした認め合いの関係」
たいこんさんの願い
たいこんさんによる「認知症サポーター養成講座」は、月に1回、新宿二丁目のコミュニティセンター「akta」で開催されている。 参加者はコラルトのコンセプトの通り、LGBTQ当事者をはじめ、ジェンダーに捉われず、同様の関心を持つ人々が対象だ。 取材当日は、大学で福祉を学ぶ学生たちもゼミの教授とともに受講していた。 たいこんさんの軽妙なトークで繰り広げられる講義には皆が熱心に耳を傾け、ゲーム形式の実践座では、世代を超えた受講者たちが楽しむ様子がみられた。 「LGBTQとそれ以外、つまり性的指向って、私は肉が好きか魚が好きか、くらいの違いだと思っています。コミュニケーション力は大事ですが、合わない人と無理に合わせる必要はない。それは肉親も一緒です。 私は刹那的に生きてきたところもあるのですが、意外に長く生きちゃった(笑)。人間って結構そんなものなので、老後について少しは考えておくのもといいのかなと思います」 NPO法人を活用して、自分たちに必要なしくみを「見える化」していくために試行錯誤を続けていきたい、と語るたいこんさん。 「LGBTQ当事者にしろ、認知症の方にしろ、それぞれの人たちの個性を認めあえる場所が、もっと増えてほしいと思いますね」 PROFILE たいこん(山田泰輔)●1968年生まれ、東京都新宿区出身、新宿区在住。NPO法人コラルト理事、発起人。新宿区の認知症サポーター養成講座講師。 取材・文/木原みぎわ
集英社オンライン