1993年、グループAラストシーズン。インターTECはBP・トランピオが制する!【グループAレースクロニクル1985-1993 JTC9年間の軌跡(9)】
9年間のJTCも最終章に。熾烈なGT-Rの戦いの果てに
ツーリングカーレースが日本で一番熱かった9年間を1冊にまとめた「グループAレースクロニクル1985-1993JTC9年間の軌跡(モーターマガジン社/2970円)」が好評発売中だ。ここでは、そこからの抜粋をお届けする。 【写真はこちら】開幕戦はカルソニックスカイライン(星野/影山)が優勝。ポールポジションこそ逃したが、圧倒的な存在感を示した。(全8枚)
JTC最後の年となったの年、参加するすべてのGT-Rに勝機がある見ごたえのあるシーズンとなった。開幕戦は3月14日、MINEサーキットで開催された「オールジャパンツーリングカー300kmレース」。ポールポジションはSTPタイサンGT-R(高橋国光/土屋圭市)で、カルソニックスカイライン(星野一義/影山正彦)の連続ポールを止める。しかし、決勝では予選2番手からスタートしたカルソニックが強い。巧者のユニシアジェックススカイライン(長谷見昌弘/福山英朗)を抑えて幸先の良いスタート。 第2戦は4月25日にオートポリスで開催された「全日本ツーリングカー選手権in RACINGPARK」だ。ポールポジションはカルソニックスカイライン(星野/影山)。ただ決勝ではSTPタイサンGT-R(高橋/土屋)とBPオイル トランピオGT-R(横島久/T.クリステンセン)の接戦が見どころだったが、コンマ差でSTPタイサンが逃げ切り初優勝となった。 第3戦はJTCの歴史の始まりの地であるスポーツランド菅生の「SUGOグループA300kmレース」で5月16日の開催だった。ここではHKSスカイライン(羽根幸治/萩原修)がポールポジション。カルソニックに一旦抜かれるも、逆転で初優勝を果たす。 7月4日には第4戦「鈴鹿スーパーツーリングカー500km」が開催された。ポールポジションは日鉱共石スカイラインGP-1プラス(鈴木利男/飯田章)。この長丁場のレースを制したのは、予選3番手からスタートしたユニシアジェックススカイライン(長谷見/福山)のベテランコンビで、しぶとく走った結果だった。
シリーズは混戦模様もカルソニック優勢。最後のインターTECはBPオイル・トランピオ・GT-Rが勝者に。
第5戦は8月8日の「TIサーキット・英田グループA300kmレース」。ポールポジションはカルソニックスカイライン(星野/影山)が3戦ぶりに穫る。決勝でもこの日、カルソニックは強く独走状態で開幕戦に続く2勝目を挙げる。2位に日鉱共石スカイラインGP-1プラス(鈴木/飯田)が入った。 8月22日には筑波サーキットで第6戦「93レース・ド・ニッポン」が開催される。このレースはクラッシュが相次ぐ荒れたレースとなった。一旦赤旗でレース再開後、日鉱共石スカイラインGP-1プラス(鈴木/飯田)が生き残り優勝。2位にはカルソニックスカイライン(星野/影山)が入賞した。 終盤戦の第7戦は9月19日の「十勝グループAツーリングカー300kmレース」。最初で最後の北海道でのグループAレースとなった。ここではカルソニックスカイライン(星野/影山)がポールポジションから逃げ切り3勝でシリーズタイトルを決めた。 10月10日に開催された第8戦「ハイランドグループA300km選手権レース」では、プレッシャーから解き放たれたカルソニックスカイライン(星野/影山)がポールポジションから快走。シーズン4勝目を挙げる。 画像: クラス1を戦ってきたドライバー。グループAの初期は長坂尚樹、高橋国光らが活躍。GT-Rが登場してからは、星野一義、長谷見昌弘らの速さ、強さが光った。 そして第9戦「インターTEC」は10月31日に開催。最後のポールはカルソニックスカイライン(星野/影山)だが、スタート直後からオイル漏れトラブルでリタイア。日鉱共石スカイラインGP-1プラス(鈴木/飯田)がトップとなるが、終盤でスピン。BPオイル・トランピオ・GT-R(横島/クリステンセン)が最後の勝者となり、チャンピオンはポイント差でカルソニックスカイラインのものとなった。
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