メルカリ、「ビットコインで買い物」を2024年に開始──デジタルが行き交う次のメルカリ構想【2024年始特集】
Web3に沸くアフリカ、中東はどうする?
「クリプト・ブーム」と呼ばれた過去数年間、無数の暗号資産やNFTプロジェクト、DAO(分散型自律組織)を運営する組織でさえも、故意にトークンの価格を吊り上げ、多額の利益を追及する投機的な動きが目立った。その後、多くのトークンはその価値を失った。 中村氏は、「徐々に、本質的で、意味のあるデジタルコンテンツ(トークン)が生まれてくるだろうと思う」と述べる。「僕の中では、もっと本質的で、そのNFTが持つユーティリティの意味が伝わるコンテンツを『メルカリ』で取り扱っていきたいと考えてます」 2023年、暗号資産やブロックチェーン領域に投資する多くの投資家やベンチャーキャピタリストは、サウジアラビアを中心とする中東や、ケニア、ナイジェリア、南アフリカがけん引するアフリカ市場にターゲットをシフトさせた。 この動きに対して中村氏は、「クリプトやWeb3の波が中東の方に動いたりしていて、僕たちも少しアプローチを考えないといけない」とした上で、「発掘できていない価値みたいなものは世界中に眠ってますね。メルカリは2023年の2月で10周年を迎え、新たにグループミッション『あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる』を策定しました。デジタルマーケットプレイスという『メルカリ』のベースラインが出来上がってくれば、あとは世界中に眠っている価値とそこにある可能性を追い求める世界の旅が始まってくるのかなと思うんです」と話す。 愛知県の大学で、AIとAI、AIと人が交渉する「ネゴシエーションAI」や、コンセンサスアルゴリズムの研究を続けた後、メルカリに新卒入社した中村氏。お金でお金を作るビジネスモデルを通じて、一部の人たちだけが莫大な資産を築くような仕組みではなく、価値が純粋に伝達・取引でき、あらゆる人の可能性を広げることができるマーケットプレイスの開発を続けていきたいと、語った。 |インタビュー・文:佐藤 茂|写真:小此木愛里|取材協力:水野公樹
CoinDesk Japan 編集部