『光る君へ』乙丸役・矢部太郎さんも指摘。一話と最終話、実はある部分でしっかりリンクを…気づいた視聴者「構造として美しい」「望月の夜はつかの間」
◆最終回の『光る君へ』 吉高由里子さん主演・大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合/毎週日曜夜8時ほか)。最終回「物語の先に」が12月15日に放送され、話題になっています。 道長の<二人の妻>倫子と明子。倫子と露骨に差がつけられた明子だが、子孫には日本文化に多大な貢献をしたあの人物が…『光る君へ』ベストセレクション *以下、最終回「物語の先に」の放送内容を含みます。 ●「物語の先に」あらすじ まひろ(吉高由里子さん)は倫子(黒木華さん)から道長(柄本佑さん)との関係を問いただされ、2人のこれまでを打ち明ける。 全てを知った倫子は驚きと共に、ある願いをまひろに託す。その後、まひろは「源氏物語」に興味を持った見知らぬ娘と出会い、思わぬ意見を聞くことに。 やがて時が経ち、道長は共に国を支えた公卿や、愛する家族が亡くなる中、自らの死期を悟って最後の決断をする。まひろは道長が危篤の知らせを聞き……。
◆嵐が来るわ 道長の死後となる長元元年(1028年)。 再び旅に出る意思を固めたまひろは、連れて行くように懇願された年老いた乙丸(矢部太郎さん)を伴い、旅立つことに。 道中では馬に乗った武者たちと遭遇。その中に鎧をまとって武装した双寿丸(伊藤健太郎さん)の姿を見つけることになります。 まひろに旅の理由を問いつつ「東国で戦が始まった。これから俺たちは朝廷の討伐軍に加わる」と語った双寿丸。 馬にまたがったまま、颯爽と去っていくその背中を見送りながら、まひろは心の中で「道長様……。嵐が来るわ」とつぶやき、物語はついに幕を閉じるのでした。
◆視聴者の反応 貴族から武士へと時代の中心が移ることを象徴するような光景を前に、まひろがつぶやいた台詞は「嵐が来るわ」でした。 その予言めいた台詞に、第一話の冒頭シーンを思い出した視聴者も多かったようで… 例えばネットでは「第一話での晴明様の言葉『紫微垣の天蓬の星がいつになく強い光を放っている。雨が降るな』を思い出した」「第一話では晴明が雨が降ることを予言して始まった。その最終話でまひろが嵐を予感して終わるの、物語の構造として美しい」「望月の夜は嵐と嵐のつかの間の晴れ間だったか…」といった声が見られていました。 また乙丸役を演じた矢部太郎さんも、音声コメントコーナー『君かたり』の中でラストシーン撮影時を振り返って「最終回でまひろさんが『嵐が来るわ』って言って終わるのも、ちょっと繋がっている感じがするな…って。雨が来て始まって、嵐が来るっていうような」と感想を語っていらっしゃいました。 大河ドラマ「光る君へ」の主人公は平安時代に、千年の時を超えるベストセラー『源氏物語』を書き上げた女性である紫式部。 彼女は藤原道長への思い、そして秘めた情熱とたぐいまれな想像力で、光源氏=光る君のストーリーを紡いでゆく。変わりゆく世を、変わらぬ愛を胸に懸命に生きた女性の物語。 脚本は大石静さんが担当しています。
「婦人公論.jp」編集部
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