渋幕、市川、栄東はどうなる?最終予想「首都圏中学入試2025」1月入試は開智と昭和学院のグループ校に勢い【男子受験生編1】
首都圏中学受験は、1月10日解禁の埼玉まで残り1カ月を切った。東京と神奈川の2月1日入試も40数日後に迫っている。男子受験生と女子受験生それぞれについて、9月と10月の四模試の志望者数状況も反映した「最終予想」をお届けする。男女それぞれ「1月」と「2月1日」と「2月2日以降」に分けた。今回は、男子受験生編の1回目「1月入試」を見ていこう。(ダイヤモンド社教育情報) ● 2025年首都圏中学入試「3つの注目点」 2024年9月と10月に実施された四模試(サピックス、四谷大塚、日能研、首都圏模試)の前年同期との志望者数の変化から、25年に実施される一般入試の人気を予想する。どの入試が人気を集め、実倍率(合格者数÷受験者数)を上げそうなのか。また、どの入試がより受けやすくなりそうなのか。大きく動きのあるものを中心に見ていきたい。本文中の倍率は、予想倍率も含め全てこの実倍率で表示した。 まずは首都圏25年入試の全体動向から考えてみたい。首都圏の小6人口は、5年後までなんとか維持しそうな東京を除けば、各県は減少傾向にある。受験率(2月1日基準)は、新型コロナ禍を経て上昇機運に転じ、23年・24年は過去最高水準の受験生を集めている。とはいえ、千葉、神奈川、埼玉の順に小6人口の減少率が高く、何らかの対応を学校側が迫られていくことになる。 四模試の受験者数を見ると、過去最高水準だった24年入試の勢いが25年も継続しそうである。サピックスの11月の模試受験者動向を見ると、男子の減少分を女子が補っている様子もうかがえる。 そうした状況下で、25年入試には三つの注目点がある。まず、「難関疲れ」である。難関・上位校は全体的にむしろ微減傾向の学校が多い。受験生も保護者も背伸びして受験することに疲弊している様子がうかがえる中、それでも増加基調にある学校・入試回は、特に注目される。 次に、偏差値(四谷大塚合不合80)で50台から40台の中堅・中位校に勢いが感じられるのも、ここ数年の傾向と同様である。「難関疲れ」と表裏一体の感があるものの、一方で、全ての学校が等しくこの状況を享受しているというわけでもない。 そして、入試内容の変化である。特に25年入試は「英語導入元年」と呼んでもいいほど各校で英語の筆記や面接もしくは英語資格を反映させる入試の数が増えている。難関・上位校は伝統的な国数理社4科が中心であることに変わりはないものの、豊島岡女子学園が若干名とはいえ英語資格を反映させた算数との実質2科を導入したことは、こうした流れの象徴的な動きといえる。 上位受験者層を見てきた人はこれまでも感じていたことだが、英語入試はインターナショナルスクールに通う受験生にとって有利であり、中学受験塾で目いっぱい詰め込んで入学してきた生徒に比べて、こうしたインター生(国際生)の方が伸びしろは大きい。高額な学費負担に応えられる家庭環境が背景にあるとはいえ、英語入試が増えるに従って、このような実態がより顕在化していくことになるだろう。