カップルを離婚に追い込む、注意すべき性格特性
健全な結婚生活とは、2人が安心して暮らせる場を意味するはずだ。これは、ケンカをしないとか、2人ともいつも上機嫌だということではない。結婚生活が長続きするかどうかは、関係が緊迫したときや、日々の暮らしで感情が揺らいだとき、あるいは重要度の高い人生の節目に直面したときに、2人がどのように対処するかによって決まる。 情緒不安定で小さなことにも過敏に反応する「神経症傾向(Neuroticism)」は、カップルが離婚に至る大きな原因だ。どんなカップルでも、関係が良好なときもあれば、うまくいかないときもある。しかし、神経症傾向が強い人は、そうした関係の起伏を否定的にとらえたり、有害なかたちで解釈したりしがちだ。 神経症傾向の強さが、しばしば結婚生活の終焉につながる2つの理由を、研究結果をもとに説明していこう。 ■1. 「ネガティブな思い込み」が対立を悪化させる 神経症傾向が強いと結婚生活に大きな悪影響が及ぶ主因は、何でもマイナスにとらえてしまう「否定性バイアス(ネガティビティ・バイアス)」が強いことだ。神経が過敏な人は、どちらともとれる曖昧な出来事や場面に遭遇したときに、悲観的なレンズを通してそれを解釈し、状況を悪化させてしまうことが多い。本来なら取るに足らない出来事として済んだであろう場合でも、こじらせてしまいがちだ。 心理学の学術誌BMC Psychologyに2020年に発表された研究論文では、神経症傾向の強いカップルは、結婚に対する満足度が低いことが明らかになった。これは主に、神経症傾向が強いと、否定的な体験に焦点を当てがちで、パートナーの悪意のない言動でさえも、攻撃性や脅迫があると解釈する傾向にあることが原因だ。 研究チームは、こう説明している。「神経症的傾向が結婚の満足度に及ぼす悪影響は、不安感や緊張感、敵意や衝動性、鬱傾向、自尊心の低さ、同情を引くなどのかたちで現れる」 神経症的傾向が強い人はストレスにも敏感で、ちょっとした厄介事にも過度に感情的反応を示す傾向がある。こうした傾向は、結婚生活という場で「感情的な地雷」を生じさせやすい。そして、絶えずいがみ合ったり、誤解し合ったりしているうちに、双方とも気持ちが疲弊してしまう。