もうすぐ運行再開の信楽高原鉄道 ── 廃線の危機乗り越え/鉄道ライター・伊原薫
復旧費用は約7億円、1年2か月のブランクを乗り越え
今回の災害で、信楽高原鉄道の復旧費用は約7億円と言われています。結果的に国からの補助金で大部分をまかなえることになりましたが、それでも甲賀市が負担する金額は少なくはありません。「それだけの費用をかけてでも復旧させる必要がある」という判断があったからこそ、運行再開の日を迎えることができるのです。 再開初日には、信楽駅午前9時48分発の初発列車に合わせて同駅でセレモニーが実施されるほか、記念グッズの販売やイベントも計画されているとのこと。1年2か月のブランクを乗り越え、通学をはじめ多くの人の便利な「足」として、再び信楽高原鉄道が元気よく走り出します。 (文/伊原薫/鉄道ライター) ■伊原薫(いはら・かおる) 大阪府生まれ。京都大学大学院・都市交通政策技術者。(一社)交通環境整備ネットワーク会員。グッズ制作やイベント企画から物書き・監修などに取り組む。都市交通政策や鉄道と地域の活性化にも携わっている。好きなものは103系、キハ30、和田岬線、北千住駅の発車メロディ。