「熱血すぎる予備校講師」が不合格を招く当然の理由…元生徒が明かす「空回り授業」の実例とは?
● 熱心ないい先生だったのに… B先生を待ち受けていた悲劇 もちろん、人間の能力を測る上で偏差値が全てではありません。ただ、B先生を待ち受けていたのは、自身の出身校をはるかに上回る難易度の入試問題を分析し、難関大学を志望する生徒に分かりやすく解説したり、出題傾向を予測したりするというハードルの高い仕事でした。 その結果、B先生がハイレベルの授業で解説・解答に悩む時間が増えてしまい、生徒にとって非常に効率の悪い内容になってしまったのです。「難関大学に合わせた指導をする自信がない」と、B先生が私に正直に明かしてくださったこともありました。 B先生は「基礎レベル」の授業のエキスパートであり、「熱心で優秀な講師」だったのですが、方針転換の弊害を受けて「ダメ講師」になってしまったといえます。 そうした例もあるため、受験生が自分に合う授業、合わない授業をすぐに見分けるのは難しいです。それでも塾・予備校を選択する際には必ず体験授業を受けて、その時点で自分に合った講義をしてくれる先生がいるかどうかを確かめましょう。 入った後は授業の変更ができない塾・予備校もありますし、前述のA講師のように、そもそも特定の科目を担当する講師が「一人しか在籍していない」場合もあります。 私がかつて通っていた予備校が、まさにその2パターンに当てはまったので、1年間ずっと効率の悪い授業を受け続けることになりました。予備校選びはじっくりと吟味しましょう。
濱井正吾