「熱血すぎる予備校講師」が不合格を招く当然の理由…元生徒が明かす「空回り授業」の実例とは?
● 当てはまったら要注意! 熱心さが裏目に出ている講師の特徴 ちなみに、このA講師以外にも、熱心・熱血さが裏目に出ている講師は数人いました(他の塾・予備校を含みます)。その例を次に記しておきます。 ・学校の授業との兼ね合いを考慮せず、毎回大量の課題を出して、内容を覚えてこなかったら叱責する講師 ・「学力が低いクラスも東大・京大クラスの問題を解かせれば実力が伸びるはず」だと信じ、身の丈に合わない最高レベルのテキストを授業で扱う講師 ・上記のほかにも、生徒の学力に合っていないオススメの参考書を指示し、全員強制的にそれをやらせる講師 ・毎回授業時間を大幅に延長し、次の授業に間に合わなくさせる講師 こうした「熱心なダメ講師」に当たってしまったら、たまったものではありませんよね。 しかし、上記の事例に当てはまらなかったからといって、完全に安心できるわけではありません。なぜなら、予備校の方針転換や経営戦略が原因で、「もともとは熱心で優秀な講師」が「ダメ講師」に変貌するパターンもあるからです。 私は冒頭で「予備校を“移籍”した」と述べましたが、実はこの「予備校の方針転換」も環境を変える一因になりました。移る前の予備校には「ダメ出しを繰り返す講師」が在籍していたものの、全員がキツい性格だったわけではなく、人柄がいい先生もいました。 特にB先生は、基礎から根気強く、わかりやすく指導をしてくださる先生で、将来の相談にもよく乗っていただきました。 しかし、私にとても合っていたB先生の授業は、ある年を境に、相性が悪い内容に変わったのです。その理由は、予備校の経営者が変わり、「講師の配置転換」が行われたことにありました。 この予備校の授業は「ハイレベル」「基礎レベル」の2種類があり、B先生は主に基礎レベルを担当。ハイレベルは他の講師が教えていました。 というのも、実はB先生は偏差値50前後の大学出身で、自身が難関大学の入試を突破した経験はなかったのです。ただその分、基礎知識を丁寧に教えてくれるので、きめ細かな指導に定評がありました。 しかし、経営方針の転換に伴って、ハイレベル担当の講師が予備校を去り、B先生がハイレベル・基礎レベルの両方を受け持つことになりました。B先生はハイレベルの授業を一生懸命担当してくださったのですが、「適材適所」の配置転換とは言えませんでした。