【初対談 沖尚・比嘉公也 × 興南・島袋洋奨】「もう1度、沖縄のチームで勝てるところを見せる」甲子園優勝を知る2人の指導者が語る沖縄高校野球界の未来【特別企画・後編】
■県外への人材流出、競技人口の減少… 沖縄高校野球の今後は 監督としてもセンバツを制覇した比嘉、プロも経験した島袋。2人を目標として多くの球児たちが汗を流す沖縄の高校野球界だが、未来には気掛かりなこともある。 ー野球をする子どもたちが減っている。現場で教えていて感じることは 比嘉:興南高校が春夏連覇する前からも(優秀な選手の)県外流出、そういったものがあったかもしれない。今一度、沖縄の高校野球が踏ん張って、何とか県内に残ってもらって、また興南と同じような、春夏連覇できるようなチームが出てこないといけないなと思ってます。 島袋:沖縄の子どもたちは(高校進学を機に)県外に出る子も今は多くなっていますが、沖縄でもう1回勝てる、沖縄のチームで勝てるんだっていうところを見せると、中学生にとっては選択肢の1つとなると思う。そこにたどり着けるように、今現場にいる以上、そういうチームを目指して頑張りたいなと思います。 比嘉:沖縄に残っても高いレベルで野球ができて、全国で勝てるということをまず示すことが大事、それを引っ張っていけるような、そういう存在でありたい。 春夏連覇を(選手として)経験した指導者は沖縄では島袋洋奨ただひとりしかいない。経験を伝えられる唯一の存在。先頭に立って引っ張っていってほしいなと思っています。 ■「野球だけじゃ勝てない」 学業や生活態度を重視する指導方針についても、2人はよく似ている。さらに聞いた。 比嘉:僕が現役の時「野球だけじゃ絶対勝てない」という指導を受けていました。金城孝夫監督(当時の沖尚監督)は、野球の練習以外の授業への取り組みや生活態度などを特に重視する指導者でした。 最初は「本当にこれが野球に直結するのかな」という疑いもあったんですが、実際それで結果が出た。(自身が監督として出場した)2008年のセンバツ優勝時も、選手には野球だけじゃなく学業、生活態度もちゃんとしてもらいました。 興南高校の我喜屋監督も同じような指導、考えだと思う。学業などもおろそかにさせずに今後もやっていきたいなと。