【ボクシング】遅咲きシーサー皆川、2度目の日本ウエルター級王座挑戦かけ難敵・湯場海樹と対戦
新潟県出身で沖縄在住のプロボクサー、日本ウエルター級3位のシーサー皆川(32=平仲BS)が21日、同級王者のセムジュ・デビッド(32=中日)への挑戦権をかけ、同級2位湯場海樹(25=ワタナベ)と「最強挑戦者決定戦」を東京・後楽園ホールで行う。昨年12月に自身初のタイトル戦で当時の同級王者・坂井祥紀(33=横浜光)に挑戦したが、判定負け。アマで国体優勝など実績を残した後、29歳でプロデビューした遅咲きのファイターがタイトル再挑戦への難関に挑む。 皆川は堂々と最強挑戦者の称号を取りに行く。「ここまで練習して勝てないなら相手が強かったと思うしかない。と、言えるのは、勝てるとしか思っていないから」。相手の湯場は16戦11勝(7KO)3敗2分け。29歳でデビューし、7戦4勝(1KO)3敗の皆川よりプロ戦績は上だ。ただ、北越高、日大で国体優勝、全日本選手権準優勝とアマ戦績87戦70勝(36RSC)17敗のキャリアが土台にある。そこに「スタミナが切れない。自分のやりたいボクシングができる」という自信が加わった。 6月に中国で、1階級軽いスーパーライト級のアイボレ・ムラティハン(中国)と対戦し、6回判定負けした。その直後から「ウエルター級で世界で戦える体にする」と、毎朝5時に起床して2時間の走り込みを開始。足を使って相手に圧をかけ、倒しに行く。平仲BSの会長で、元WBAスーパーライト級王者の平仲明信氏(61)の長男信裕(28)らと計150回以上のスパーリングを重ね、実力アップを確信した。 30歳を前にプロデビューして3年、昨年12月に初めて坂井の日本タイトルに挑戦してから1年がたつ。「体つき、意識と、別人になった」。練習メニューを考え、毎日異なる内容を行うなど研究にのめり込んだ。今回も湯場のデータは洗いざらいにして対策を立てた。日大卒業から6年のブランクを経てプロ受験に備えていたころは、感覚を取り戻すことや、減量に苦しんだ。「考えて取り組むことが大切。今はボクシングが楽しい」とポジティブだ。 家では2児の父。「父としての証しを、ベルトで残したい。だから負けられない。自分がどこまで強くなっているか楽しみ」。まだ道半ば。前を向き、強気でリングに上がる。【斎藤慎一郎】 ◆シーサー皆川(本名・皆川直輝=みながわ・なおき)1992年(平4)6月18日生まれ、新潟市出身。北越高2年からボクシングを始める。3年の国体ウエルター級で優勝。日大に進み、1年の時に台北市カップ国際トーナメント優勝、2年で国体優勝。全日本選手権は大学1年から3年まで準優勝。大学4年時に主将を務めた。アマ戦績は87戦70勝(36RSC)17敗。21年10月にプロデビュー。プロ戦績7戦4勝(1KO)3敗。176センチ。